【コパ・アメリカ現地レポート】代表100試合目を白星で飾ったメッシは6度目の挑戦で悲願のタイトル獲得なるか!?

2015年06月21日 熊崎敬

まだ爆発はしていないものの、アルゼンチンは本命に相応しい。

ジャマイカ戦でも随所に凄味を見せたメッシ。足かけ10年で節目の記録に到達した。これで歴代単独5位に(最多はサネッティの145試合)。 (C) Getty Images

【コパ・アメリカ2015】
グループB
○アルゼンチン 1-●ジャマイカ
[得点者]イグアイン(11分)
 
 大本命アルゼンチンが"レゲエボーイズ"ジャマイカを1-0で破り、グループ1位の座を確保した。
 
 この試合の前に行なわれたパラグアイ対ウルグアイは、1-1の引き分け。これでグループBは全6試合を終了し、1位アルゼンチン、2位パラグアイ、3位ウルグアイのベスト8進出が決まった。
 
 準々決勝では、ウルグアイは休養が1日短く、移動も強いられる厳しい条件下で開催国チリと戦う羽目になった。
 
 さて、アルゼンチンとジャマイカの一戦は、11分にあっさりとイグアインが先制。意外なことに、これが決勝点となった。アルゼンチンはシュート数19対5、支配率73対27と招待国ジャマイカを圧倒したが、相手GKミラーの健闘もあって追加点を奪えなかった。
 
 最後の15分は、初ゴールに執念を見せるジャマイカが懸命の反撃を見せ、地元チリ人の観衆を喜ばせた。
 
 この試合は、ひとつのメモリアルでもあった。キャプテン、メッシにとって代表100ゲーム目だったからだ。
 
 2005年8月17日、18歳の若さでハンガリーとの親善試合で途中出場を果たしたメッシだったが、わずか40秒で退場。あの悪夢のデビューから10年かかって、節目の100試合に到達した。
 
 年代別代表では2005年のU-20ワールドカップ、08年の北京オリンピックで優勝を飾ったメッシだが、フル代表ではまだ祖国にタイトルをもたらしていない。
 
 06年ワールドカップ・ドイツ大会はベスト8。
 07年コパ・アメリカでは準優勝。
 10年ワールドカップ・南アフリカ大会ではベスト8
 11年コパ・アメリカではベスト8。
 14年ワールドカップでは準優勝――。
 
 バルセロナではあらゆるタイトルを獲り尽くしているが、アルゼンチン代表では一度も栄光に手が届いていない。
 
 今大会のアルゼンチンは、パラグアイに引き分け、格下ジャマイカにも1点止まりだったとはいえ、大本命に相応しいゲームを見せている。
 
 今日の地元紙に、メッシの力強い言葉が紹介されていた。
 
「とにかく、タイトルを勝ち取りたいんだ。僕たちは、強い絆で結ばれたひとつのグループだ」
 
 まだ爆発はしていないが、今のメッシとアルゼンチンは精神的に充実している。7月4日、サンティアゴのナショナル・スタジアムで、メッシはついにコパを掲げるのだろうか。
 
現地取材・文:熊崎 敬
 
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