「バカげている」元イングランド代表、ヴェンゲルが推すW杯2年に1度開催に強烈な不快感。UEFA会長も非難声明

2021年09月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

「選手たちがこの考えに賛同するとは思えない」

ヴェンゲルの推す大胆改革は、実現するのだろうか。(C)Getty Images

 元イングランド代表MFダニー・マーフィーが、アーセン・ヴェンゲルが推し進めるワールドカップ(W杯)の開催を2年に1度とする案を「バカげている」と一蹴した。

 かつてアーセナルで黄金期を築き、現在は国際サッカー連盟(FIFA)でグローバル・フットボール・ディベロップメント・チーフを務めるレジェンドは、2019年に同職に就任以来「サッカー選手の幸福のため」と、現状のサッカーカレンダーを大幅に変更させる計画を強力に推進してきた。その一案がW杯の隔年開催だったが、これはサポーターや識者からの反発を受けている。

 そうしたなかで、現役時代はリバプールやトッテナムでプレーしたマーフィーは、現地時間9月6日に英『talkSPORT』の番組に出演。大胆改革に対し、周期を短くすればW杯の魅力が損なわれると、強い反対姿勢を示した。
 
「もちろん、物事をよくするためには進化しなければならないし、新しいものを受け入れる心を持たなければならない。しかし、選手たちがこの考えに賛同するとは思えない。(W杯の中間年に開催されている)EUROはどうすんだ?それに試合だけでなく、試合に向けての準備や、チャンピオンズ・リーグの夜であれ、イングランド代表の遠征であれ、ビッグマッチに向けての興奮があるんだ。

 もし、これらが1つにまとめられて、ただ試合に次ぐ試合になってしまったら、選手たちは懐かしさや重要性、威信を失うことになるだろう。ヴェンゲルがこのアイデアを前進させていることには驚きだ。選手の間では、脚光を浴びることも、勢いを増すこともないと思う」

 また、欧州サッカー連盟(UEFA)も声明を発表。アレクサンデル・セフェリン会長は、「UEFAは、FIFAの計画に関する報道を巡り、深刻な懸念を抱いている。2年に1度のFIFAワールドカップが国際試合カレンダーに与える影響、特に女子サッカーに与える影響については懸念が大きい」と述べた。

 ファン、評論家、そしてUEFAからの非難に晒されるなかで、FIFAが世紀のビッグプロジェクトを実現させることはあるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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