なでしこジャパン高倉麻子監督の退任が発表。就任から約5年間、「日本の良さは何かを模索する日々だった」

2021年08月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

「思ったように結果が出なかったのは、私自身の力のなさ」

なでしこジャパンの高倉監督の退任が発表。16年4月の就任から約5年間、チームを率いた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 日本サッカー協会は8月27日、なでしこジャパンの高倉麻子監督の退任を発表した。

 オンラインで行なわれたメディア対応で、会見の冒頭でまず今井純子女子委員長が以下のようにコメント。

「2016年4月から、なでしこジャパンの監督を務めていただきました高倉監督、今月末を持ちまして、任期満了ということにさせていただきました。2016年4月、リオ・オリンピックの予選に負けて、そこから本当に、ピンチをチャンスに、そして再び、なでしこを世界一に、ワールドカップから東京オリンピックへと、すごく難しいチャレンジに、それを先駆者として快く受けてたっていただいたこと、本当に感謝しています」

 大役を終えた高倉監督は、「今回、東京五輪を終え、残念ながら自分たちが望んだ結果ではありませんでしたけれども、ひとつの区切りとして私自身は8月の最後を持って、退任するという形になりました」と切り出し、これまでの監督生活を振り返る。

「5年間、なでしこジャパンの監督という非常に責任ある立場を任せていただき、非常に光栄でした。話を受けた時には、もちろん、女子サッカーの世界中の発展を考えれば、難しいチャレンジになることは分かったなかで、覚悟を決めて、話を引き受けました。

 終わってみれば、この5年という時間が長かったのか、短かったのかは、なかなか判断しかねるところではありますけども、本当に毎日、日々、日本の良さとは何なのか、世界と戦っていくために、どんな武器を持って戦っていくべきなのかを、国内リーグを見ながら、もちろん海外の様々なリーグだったり、ヨーロッパ選手権、チャンピオンズリーグにも出かけていきましたけれども、そのなかで模索する日々だったなと思います」
 
 限られた代表活動のなかで、自らのビジョンをチームに落とし込む作業は簡単ではなかったが、「選手が非常にポジティブにトライしてくれた」と語る。

「そのなかで、アジアの大会だったり、世界の大会だったりで、アジアでは一定の結果は、選手の頑張りで取ることはできたと思いますけど、19年のワールドカップ、今回のオリンピック含め、思ったように結果が出なかったのは、私自身の力のなさではあると思います。

 世界の女子のサッカーが急激に進歩していることは感じますし、その進歩の種を蒔いたのは、やはり2011年のなでしこジャパンのサッカーだったということも感じながら、発展の種を蒔き、その花が世界中で咲いているのをまたこちらが受けて、挑戦しているという状況なのかなと思います」
 

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