劇的勝利で日本一に! 青森山田の松木玖生が決勝戦後に流した涙の真相「3年間取り組んできても全然だめで…」【総体】

2021年08月22日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

「前半は我慢の時間帯だった」

青森山田が16年ぶりのインターハイ制覇。松木が決勝戦後に流した涙の真相とは。写真:田中研治

[インターハイ決勝]米子北1-2青森山田/8月22日(日)/テクノポート福井総合公園スタジアム

 30度を超える暑さのなか、最後まで足を止めなかった青森山田がまさに劇的な勝利で、16年ぶりのインターハイ制覇を果たした。

 準決勝までの5試合で28得点と、圧倒的な攻撃力を見せて決勝へと勝ち進んだ青森山田。最後の試合も青森山田が主導権を握り、米子北がどれだけ守り切れるか、といった試合展開になると予想されたが、前半10分に今大会初めて先制点を許してしまう。

 前半は米子北にセカンドボールを拾われることが多く、危険なシーンを幾度となく作られた。青森山田の10番を背負い、キャプテンを務める松木は、「前半は我慢の時間帯だった」と振り返る。

「点は決められるという予感はしていました。でも、前半は我慢の時間帯で、風もすごく自分たち寄りだったんですけど、それを活かすことが出来なかった。後半には監督から言葉を貰って、それで修正していけば勝てると思っていました」
 
 ハーフタイムには、黒田剛監督から2トップのボールの収め方や、ディフェンスラインの位置、セカンドボールの回収などの指示を受け、後半から青森山田は息を吹き返す。

 そして、試合終了間際の後半34分、セットプレーの流れから丸山大和(3年)が頭で合わせ、チームを救う同点弾。1-1で延長戦に突入すると、またしても終了間際の延長後半10+1分に、CKから丸山がヘディングでネットを揺らし、2-1で劇的な勝利を飾った。

 終わりを告げるホイッスルが鳴った直後、松木は涙を流した。その涙について、本人は「うれし泣きです」と説明した。

「3年間こうやって取り組んできても全然だめで、それがやっと実った。嬉しい気持ちが一番です」

 2年前のインターハイは、3回戦敗退。昨年の選手権では決勝まで勝ち進んだが、山梨学院に敗れ、あと一歩のところで全国の頂点に届かなかっただけに、松木はもちろん、チームにとってもこれまでの努力がやっと報われた瞬間だった。

 試合後、青森山田はインターハイ優勝を記念した白いシャツを身に着け、全国制覇の喜びに酔いしれた。どこか肩の力が抜けたような、選手たちの弾ける笑顔が印象的だった。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

【インターハイ決勝PHOTO】米子北1-2青森山田|延長線の末に米子北の堅守をこじ開けたのは丸山大和の劇的ヘディングシュート!青森山田がインターハイを制覇!!
 
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