浦和がJリーグの懲罰に対して「懲罰規程の適用に誤りがある」とスポーツ仲裁裁判所に提訴

2021年08月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

現状は「得点を3対0として試合を没収」

JFA不服申立委員会へ文書を提出するものの、[不服申立可能な懲罰]に該当しないということで却下されていた。

 浦和レッズは8月19日、クラブの公式ホームページで、Jリーグより下されたエントリー手続不備事案について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴したことを報告した。

 問題となっている事案は、6月20日に開催されたJ1リーグ18節の湘南ベルマーレ戦で、浦和が所定の手続きを踏まずエントリー資格の認定を受けていなかったGK鈴木彩艶を出場させた件だ。

 これに対してJリーグは、懲罰基準3-3「出場資格の無い選手の公式試合への不正出場(未遂を含む)」に該当するとして、該当試合を「得点を3対0として試合を没収」するとした。

 浦和も「エントリー手続不備については浦和レッズに責任があり、反省すると共に相応の処分については受け入れます」と認めている一方で、鈴木は直前までU-24日本代表に招集されており、6月12日に実施された代表活動時のコロナ検査でも陰性判定を受けていたため、「当該選手はJリーグの公式試合への『出場資格』はあるものの、本試合へエントリーする手続に欠けていた状況」だと判断。

 そのため、前述の懲罰基準3-3ではなく、懲罰基準3-7「チーム又は選手等によるその他の違反行為」として懲罰を科すべきものとの判断から「懲罰規程の適用に誤りがあるとして、クラブ内で検討の結果、CASに提訴しました」と報告した。
 
 なお、浦和は今回の提訴の判断に至った理由も以下のように発表している。

「『日本サッカーの水準向上及びサッカーの普及促進』等、Jリーグの理念を実現すべく、JFA及びJリーグと協力してクラブを運営していくものであり、この基本的な姿勢は、過去も、現在も、将来も変わりません。JFA及びJリーグが自ら定めたルールを正しく理解して、正しく運用することは、健全な日本サッカー界にとって必要なことであると考えます。本件について浦和レッズは、第三者機関による中立公正な判断を求めることがJFA及びJリーグを構成するクラブの責務であると考えると同時に、今シーズンにおける浦和レッズの順位やACLの出場権獲得に影響を及ぼすこと、さらには他のクラブにおいても同様のことが発生した場合、クラブの根幹に影響を及ぼす大きな事態に繋がる恐れがあることなどから今回の結論に至りました。このことにより、これまで培ってきたJリーグや日本サッカー協会との関係を毀損させる意図はないこと、日本のスポーツ界、サッカー界の発展を願い全力を挙げていきます」

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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