【総体1回戦】大舞台でのスタメン抜擢で先制弾! 流経大柏を勢いに乗せた清水蒼太朗が悔しさをにじませたワケ

2021年08月15日 安藤隆人

夏前まではBチームに所属。清水の信条は「どんなボールが来ても飛び込め」

清水は、前半17分にチームに勢いをもたらす先制ゴールを挙げた。写真:安藤隆人

[インターハイ1回戦]流経大柏5-1佐賀東/8月15日(日)/三国運動公園陸上競技場

 優勝候補に挙げられる流経大柏は、佐賀東との初戦で、5-1という圧巻のゴールラッシュを見せて好発進を切った。大量得点の口火を切る先制点を挙げたFW清水蒼太朗は試合後、こう力強く語った。

「僕には『どんなボールが来ても飛び込め』という信条があります」

 清水の売りはゴール前での迫力にある。夏前まではBチームに所属し、プレミアリーグEASTはベンチ入りすらしたことがない。しかし、Bチームで県リーグ1部を戦っていくなかで、がむしゃらにゴール前に飛び込んでいくプレーに加え、戦況を見てクロッサーとタイミングを合わせて飛び込んでいく冷静さを磨いていった。それにより、周囲の評価を上げ、ついにインターハイ前の強化合宿でトップチームに呼ばれた。

「僕の特長であるクロスからのヘディング、トラップからのシュートなど、ボックス内でゴリゴリ行くという武器を出し切ろうと思った」と語ったように、そこで彼はチャンスをものにした。

 紅白戦でハットトリックを達成すると、7月下旬に行なわれた和倉ユースサッカー大会では、これまでレギュラーだったFW石川裕雅を押しのけてスタメンに抜擢された。
 
 ベストメンバーで挑んできた青森山田とのガチンコの決勝戦でも、1トップで先発出場。何度も相手DFの背後に抜け出したり、クロスに飛び込んだりと、ゴールこそならなかったが存在感を放った。

 そして、インターハイでも堂々とスタメンに名を連ね、自分の信条をプレーで表現した。

 前半14分、サイドから相手DFとGKの間にグラウンダーの鋭いクロスが通ると、飛び出してきたGKよりも一瞬早くボールに到達した清水が、転倒しながらもゴールに押し込んだ。これはオフサイドの判定となってしまったが、直後の17分に今度は正真正銘のゴールを叩き込む。

 相手の最終ラインのパス回しに対し、右サイドをDF大川佳風が猛然と駆け上がってインターセプト。すると清水もすぐにフィニッシュの体制に切り替えるため、ゴール前のDFの状況を把握すると、ニアにスペースがあることに気付いた。

「ニアにいた相手がボールを見ていたので、相手の前に勢いよく飛び込んでいけば、佳風なら絶対にいいボールを入れてくれると思った」と、大川を信じて全速力でスプリント。そこに大川から狙い通りのライナークロスが届き、清水は鮮やかなワンタッチから右足のシュートをゴールに突き刺した。
 

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