大久保嘉人はいかにして天才ストライカーとなったのか…名良橋晃と岩本輝雄が語った見解

2021年08月17日 サッカーダイジェスト編集部

「“そのあたり”のセンスはずば抜けている」(岩本)

今季はC大阪に復帰した大久保。J1通算190ゴールは歴代最多だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 J1歴代最多190得点を誇るストライカー大久保嘉人は「天才」と呼べるのか? そんな疑問について、元日本代表で現解説者の2人──名良橋晃氏、岩本輝雄氏がひとつの回答を示す。

名良橋 プレーを重ねて天才の領域に辿り着いたタイプ。

岩本 確かに。彼が20歳の時に対戦して「凄い」と思ったけど、今は「もっと凄い」。川崎時代にはJ1で3年続けて得点王に輝いているし、スーパースターだよね。身体の使い方は上手いし、シュートへのアプローチは天才的。国見高時代に培ったフィジカル能力が利いている印象がある。

名良橋 川崎時代にグッと伸びた。味方に上手く生かされる環境下でサッカーの本質を理解し、プレーの幅を広げた。今やフィニッシャーにもチャンスメーカーになれるし、とにかくアイデアが豊富。

岩本 ミドルもあって、ヘッドも強い。あらゆる状況に対応できるという意味でも天才。彼が20歳の頃から試合を観ているけど、もの凄い才能だと思う。

名良橋 これほどの選手でも苦しんだ時期はあった。実際、東京V、磐田、FC東京などでは結果を残せなかったわけで。
 
岩本 監督との相性は重要。そう考えると、大久保の能力を余すところなく引き出した風間さん(元・川崎監督)は素晴らしい。

名良橋 川崎でパスサッカーを浸透させた点でも凄い。

岩本 大久保が優れているのは味方の使い方。シンプルに預けられる局面では預けるし、調子の良いチームメイトを見極めて積極的に活用する。そのあたりのセンスはずば抜けていて、だからこそ簡単にゴールを奪えるのだろう。

名良橋 海外でのキャリアも含め、在籍したクラブでいろんなものを見て、盗んできたんだろうね。

岩本 それも賢くないとできない。

名良橋 一種の才能だよね。

岩本 40に近い年齢でもフォワードで活躍しているのが賢い証。

名良橋 今でも点を取っているし、天才です。

取材・文●白鳥和洋(本誌編集長)・多田哲平(本誌編集部)

※サッカーダイジェスト6月24日号に掲載されたものを加筆・修正して転載。

【PHOTO】J1最多得点記録保持者!"百獣の王"大久保嘉人のキャリアを振り返り!(2000年~2020年)

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