「ここで引退するものだと思っていた」バルサ退団のメッシ、涙の会見。新天地については…

2021年08月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

「このクラブを去ることに深い悲しみを抱いている」

会見冒頭、メッシはあふれる涙を抑えることができなかった。(C)Getty Images

 現地時間8月7日、ラ・リーガのバルセロナの退団が発表されたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが、記者会見を行なった。

 会見場には取材陣、スタッフ、そしてフレンキー・デ・ヨングら現役選手の姿もみられた。スーツ姿で壇上に上がったメッシは、マイクに近づきながらもあふれる涙を抑えることができず、その姿に、会場からは暖かな拍手が送られた。

 中継していたYoutubeでは65万人を超える視聴者が見守るなか、メッシは、「愛するクラブを去ることに深い悲しみを覚えている」と語った。

「とても大きな喪失感があって、ここ数日、何を言っていいのか考えていたけど、わからなかった。けれど、僕は数年間離れるが、必ず戻ってきたい。ここは僕のホームで、ファンとクラブへの愛情は変わらない。いつか、どんな形でもクラブの一部として戻ってこれたらと思うし、これからも世界一のクラブであり続けてほしい。だけど今日は、さようならを言わなければならない。

 ラポルタ会長と話をして、すべての手はずは整っていたけど、ラ・リーガの件で登録ができないとわかった。すべて合意していたのに、叶わなかった」

 それでもメッシは何度も「残りたかった」と繰り返し、「残るつもりだったし、ここで引退するものだと思っていた。昨年は去りたかったけれど、今はそうじゃないんだ」と悔恨をにじませ、「今いる若い選手たちと一緒であれば、チャンピオンズ・リーグをもう1度制覇し、多くのタイトルが獲れたんじゃないかなと思っていた」と話した。
 
 だが、「あらゆる手はずも整えたけれど、それは実行できなかった。僕にとってバルサは最高のクラブで、その一部になれたことは誇りだ。そして、クラブが今抱えている負債をこれ以上大きくしたくないということはわかる」と理解を示す。

「このクラブには僕以前にも偉大なプレーヤーが多く在籍し、歴史を紡いできた。僕は今でも気持ちの整理がついていないし、本当につらい。クラブにとっても大きな変化になるのだろう。けれどこのクラブが歩みを進めていくなかで、あるべき変化が訪れるのだろうなと思っている。僕の後継者としていろんな選手がいるので、大丈夫だと信じている」

 また、新天地についての質問には「まだどのクラブとも契約していない」と述べつつも、「退団の一報が出てから、たくさんのクラブからのオファーを受け取った。パリ・サンジェルマンとは契約を結んでいない。彼らとは話をしている最中だ」と一部を認めている。

 ちなみに、イビサ島でネイマールらパリSGの面々と撮影した写真は「本当にたまたま」と移籍が決まっていたという報道を否定している。

「もともと、(アンヘル・)ディ・マリアとレアンドロ・パレデスと会う予定だった。ネイからも『俺もいるので行く!』と連絡がきて、(マルコ・)ヴェッラッティも来て、皆でご飯を食べただけ。『パリにおいでよ』と言っていたけれど、それはジョーク。パリ加入が決まっていたから撮ったというのではなくて、友人と休日を一緒に過ごしただけだ」

 メッシは退団を認め、新たな道に進む決断を下した。偉大なるレジェンドの退団を惜しむファンの心境はいかばかりか。「いずれファンに挨拶をしたい」と願ったメッシの希望が、叶えられることを祈るばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

 

次ページ【動画】選手も多く詰めかけた会見場で、メッシに送られたあたたかな拍手

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事