【中断明けの青写真|FC東京】反撃の夏、“死のロード”7連戦をどう乗り越えるか。指揮官が危惧するのは…

2021年08月08日 馬場康平

右サイドの人選に注目!

長谷川監督は敵地での残り5試合の“入り方”に注意点を挙げた。写真:田中研治

 東京五輪開催でJリーグは一時中断。その間、各チームは戦力補強やミニキャンプ実施など、再開後に向けて準備を進めている。五輪後はいかなる戦いを見せてくれるか。ここでは、J1のFC東京を取り上げる。

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 FC東京の今季リーグ序盤は、レアンドロの不調に加え、けが人も続出。メンバーを入れ替えながらの苦戦が続いた。J1第9節川崎フロンターレ戦に2-4で敗れると、そこからまさかの5連敗。その後守備を再建して長いトンネルを抜け出すと、レアンドロも復調してバングーナガンデ佳史扶らの台頭でメンバーも固まり、7戦負けなしでリーグ中断を迎えた。

 今季前半戦を苦しんだFC東京にとって、反撃の夏は今のところ順調な歩みを見せている。けがで長期離脱していた、林彰洋と渡辺凌磨が、この中断期間中に戦列へと復帰した。ここからは競争力を上げて、8月に反攻を仕掛けたいところだ。

 まず注目したいのは、やはり今季序盤でメンバーを固定できなかった右サイドの人選だろう。渡辺凌の復帰と、鈴木準弥の獲得によって層は確実に厚くなった。それにより、小川諒也をふたたび左サイドバックに戻すオプションを持てることも大きく、戦いの幅も広がる。
 
 そして、この夏はもう一つの戦いが存在している。東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う"死のロード"7連戦はまだまだ始まったばかり。これから残り5試合も敵地戦が続く。普段の練習とは異なる環境への適応も、勝敗を大きく左右することになりそうだ。長谷川健太監督は「実際の試合では、どのくらいの暑さなのか、どのような状況になるかは読めない」と、口にする。

 そうした状況で懸念されるのが、試合の入り方だと指揮官は言う。

「トレーニングでも相当意識付けしているが、高い意識を持って試合に入らないと、ダラッとした試合の入りになってしまう。そこを危惧している」
 

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