【中断明けの青写真|京都】曺貴裁スタイルをブラッシュアップ!新戦力イスマイラは貴重なオプションに

2021年08月08日 雨堤俊祐

中断期間は6日間のオフからスタート

昨季得点王のピーター・ウタカに加え、イスマイラ、李忠成ら特長の異なるFWを擁する京都。写真:滝川敏之

 中断期間を首位で迎えた京都。昨季からモデルチェンジを図る中で戦術が浸透し、23試合で勝点48と結果も付いてきた。

 前線から連動したプレッシングを仕掛けて、ボールを奪えば素早く攻撃に転じてゴールを狙う。それも人数を掛けて、複数の選手がゴール前に走り込む迫力が様になってきた。試合を重ねて、戦い方に幅が出てきたことも見逃せない。

 そうして迎えた中断期間、最初の6日間はオフが与えられた。心身共に消耗の激しいサッカーをこなした選手のリフレッシュが目的で「初心に帰って、パワーを貯められた」(飯田貴敬)と選手からは好評の様子。指揮官も「みんな、いい顔でチームに戻ってきてくれた」(曺貴裁監督)と話している。

 練習再開後は前半戦のスタイルを継続しつつ、ブラッシュアップを図っている。公式戦が無いからこそ取り組めることもあり「練習の強度は対人の部分を多くやったり、(週末にリーグ戦がある)シーズン中だとやりにくいことを有意義にこなせた」(曺監督)、「全体練習の後に、普段はコンディションを考慮して控えている居残り練習で個人的な課題にフォーカスした」(福岡慎平)と各々で中断期間の生かし方を考えて、実践しているようだ。
 
 夏の移籍市場ではイスマイラを獲得。J3福島の得点源として活躍したナイジェリア人FWは、合流から間もない中断前の新潟戦で早速ベンチ入りしている。188cmの長身や日本人にはない身体能力は大きな武器。前線の高さなど、ピーター・ウタカや李忠成とは異なる特徴を持つFWとして貴重なオプションとなりそうだ。イスマイラにとっては、新天地に溶け込んだり、戦術を習得する期間として3週間の中断期間はプラスだったはず。再開後の活躍が期待される。

 後半戦も自分たちのスタイルを貫いて、目の前の試合で勝利することに全力を注ぐ。その中で、敵の京都対策は進んでいくだろう。残留争いのチームなど、なりふり構わない戦い方で挑んでくる相手も出てくるはずだ。昇格争いのプレッシャーも増していくなかで、それらを乗り越えて昇格への道を切り開きたい。

取材・文●雨堤俊祐(サッカーライター)

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