「この交渉は終わった」メッシのバルサ退団発表から一夜明け、ラポルタ会長が記者会見で語ったこととは?

2021年08月07日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

メッシ退団の事情を赤裸々に

衝撃の一夜から会見に登場したラポルタ会長。 (C)Getty Images

 リオネル・メッシに別れを告げる決断について、トップの説明は人々を納得させただろうか。

 バルセロナのジョアン・ラポルタ会長が8月6日に会見し、前日に退団が発表されたメッシについて話した。英公共放送『BBC』が伝えている。

 クラブは公式発表で、双方に新契約を結ぶ意思があるものの、「ラ・リーガの定める経済的・構造的な障害」で実現できないとした。リーグによるサラリーキャップのことを指しているとみられる。また、バルセロナはレアル・マドリーとともに、リーガと投資ファンドの合意に反対していると言われる。

 ラポルタは「50年にわたってクラブに影響するような決断を下すことはできない」と話した。

「クラブには100年超の歴史があり、すべての人と物を上回る。たとえ世界最高の選手であろうとね。メッシがバルサのためにしたすべてに、われわれはずっと感謝していく。われわれはこうするか、クラブを危険にさらす努力をしなければいけない。このまま続けることはできず、決断を下さなければいけなかった」
 
 契約更新が報じられていた当日に退団が発表されるかたちとなったメッシについて、ラポルタは「レオは残ることを望んでいた。だから彼はハッピーじゃない」と話している。

「われわれ全員が彼の残留を望んだ。彼は現実に直面しなければいけない。変えられない現実だ。どこにいこうと、わたしは彼にとって最善の幸運を祈る。彼はそれを知っている」

 "無所属"である限り、メッシと今後契約する可能性もあるが、ラポルタはその考えが「偽善的」だとし、「間違った希望」を与えることになると強調した。

「この交渉は終わった」

 功績の大きさは言うまでもない。ラポルタは「レオの遺産は見事なものだ。彼は歴史をつくった」と話している。

「クラブ史でもっとも成功した選手。輝かしい時代を反映してきた。きょうまでのバルサの歴史で最高の時代だ」

 そのうえで、ラポルタは「これから新たな時代が始まる。レオ以前とレオ以降があるだろう。永遠に彼に感謝しなければいけない」と続けた。

 実際、どんなに偉大な選手でも、必ずその時代が終わるときは訪れる。ただ、サッカーの歴史に数々の輝かしいページを記してきたメッシ、そして彼とクラブを愛する人たちの望んだ終わりかたではないことも、また確かだろう。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事