「チームを支えた最強の柱が…」ブラジルの日本通記者がメキシコ戦で浮彫りになった“懸念”を指摘【東京五輪】

2021年08月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

自国開催の大会で、銅メダルを逃した日本

日本は3位の壁を打ち破ることはできなかった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 8月6日に行なわれた東京五輪の男子サッカー3位決定戦で、日本はメキシコに1-3で敗れ、4位に終わった。準決勝でスペインに敗れ、選手たちがせめてもの目標に掲げていた銅メダルを手にすることはできなかった。

 この一戦を、ブラジル・メディア『globo』の日本通、チアゴ・ボンテンポ記者も見守っていた。同記者は大会前の親善試合なども含めてU-24日本代表を追い続けており、メキシコとの一戦を「少なくとも、個々のプレーは悪くなかった」と評している。
 
「準決勝で痛恨の敗北を喫した後、銅メダルを手にすることに、選手たちは意欲を燃やしていたはずだ。日本はホームでの試合であり、1次リーグでメキシコを破っており、さらには2012年にロンドン五輪で吉田麻也、酒井宏樹が同じ舞台に立ったことがあるというメリットがあった。だが、彼らはこのメキシコ戦で、今までで一番動揺しているように見えた。

 日本は1点、2点を失ったときまでは主導権を握られながらも冷静だったが、3失点目で完全に混乱してしまった。だが、サムライたちのプレーは、少なくとも個々のプレーは決して悪くなかった」
 
 そして、チームの抱えていた「問題」がこの試合で露呈してしまったと指摘している。

「守備的MFのデュオが、常にスターターとして大会でフル稼働し、試合と試合の間が2日しかないために、過負荷になってしまうのではないかという懸念が、結果的に現実となってしまったのがこの試合だった。特に遠藤航は、チームを支える最強の柱だった。それが崩れた。先制点のPKを与え、残り2点もセットプレーで相手を捕まえきれなかった。田中碧も普段のプレーより劣っていた」

 ベンチワークについても「本来なら三笘薫と上田綺世は先発してもよかった」とも綴っている。

「彼らがピッチに立ったときには遅すぎた。(ギジェルモ・)オチョアは上田のシュートを防いだが、三笘を止めることはできなかった。彼は個人プレーで素晴らしいゴールを決め、日本の攻撃に欠けていた何かを与えてくれた」

 また、試合後に号泣した久保建英にも言及している。

「久保は試合終了のホイッスルが鳴った後、最も悲嘆に暮れ、まるで子どものように泣き続けた。精神的な疲労に肉体的な疲労が加われば、もうどうしようもない。『自分のキャリアの中で最も悔しい思いをした』とぼやいていたのも無理はなかったろう」

 同記者は10点満点で選手の採点も行なっており、最低点は遠藤の3.5点、最高点は三笘の7.0点をつけた。6.5点は久保、中山雄太、6.0点は吉田麻也、酒井宏樹、冨安健洋、田中碧、そのほかの選手には5.5点を与えている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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