【東京五輪プレーバック】GL第2節メキシコ戦|電光石火の2ゴールで難敵撃破! 「良い守備から良い攻撃」の具現者となったのは…

2021年08月07日 サッカーダイジェスト編集部

とりわけ前半は守備の安定感が際立った

果敢なボール奪取から攻め上がる遠藤⑥は、「良い守備から良い攻撃」を体現していた。(C)Getty Images

 多くの識者がメキシコをグループ内最大のライバルと考えていた。南アフリカの堅守に苦しみ、辛くも勝利を手にした日本と、強豪フランスを4-1で文字通り粉砕したメキシコ。初戦のパフォーマンスを比較すれば、「勝点1を取れれば御の字」と、控えめな予想に落ち着くのも仕方がないように思えた。

 しかし、ピッチに立つ選手たちは違った。この試合に先立ち、フランスが南アフリカとのシーソーゲームを制して決勝トーナメント進出に望みをつないだこともあり、日本は明確な意思を持って勝点3を奪いに行ったのだ。

 すると、開始6分だった。右SB酒井宏樹の絶妙な縦へのフィードに抜け出した堂安律が、中央へマイナスのクロスを送る。そこに飛び込んできたのは久保建英だ。追いすがるマーカーより一瞬早く左足アウトで捉えたダイレクトシュートが、名手オチョアの牙城を破った。

 さらにその5分後には、エリア内で仕掛けた相馬勇紀がファウルを受け、VAR判定でPKを獲得。これを堂安が、本人曰く「度胸試し」の真正面へのキックで豪快に突き刺す。難敵メキシコを相手に、電光石火の2ゴールで一気に試合の主導権を握るのだ。
 
 精神的に優位に立った日本は、ここから冷静にゲームをコントロール。とりわけ前半は守備の安定感が際立った。前線から献身的にボールを追った林大地や、「自分がアンカー(ロモ)に付いてコースを切ることを意識した」という久保の貢献も大きいが、それ以上に効いていたのが、"デュエル王"遠藤航だ。22分には中盤でボールを奪うと、そこからドリブルで持ち上がり、最後は相馬のシュートまで繋げている。リオ五輪のキャプテンが、まさしく「良い守備から良い攻撃」の具現者となった。

 また、左サイドで相馬と連動しながらの要注意人物ライネスを封じ込めた中山雄太、相手CFマルティンに基準点としての仕事をさせなかったCB板倉滉の働きも、称賛に値しただろう。

 南アフリカ戦では少し身体が重そうだった堂安も、コンディションが上向きつつあるようだ。1ゴール・1アシストに加え、68分には田中碧のロングパスに反応して裏を取り、メキシコのCBを一発退場に追い込んでもいる。

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