【岩本輝雄のぶっちゃけ採点|スペイン戦】「相馬は脅威の存在。前田は強引さが足りなかったか」/東京五輪

2021年08月05日 岩本輝雄

ここまで回されるか、というのが正直な感想

途中出場の相馬は積極果敢なドリブルで左サイドの攻撃を活性化。何かをやってくれそうなオーラがあった。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

[東京五輪 準決勝]U-24日本 0-1 U-24スペイン/8月3日/埼玉スタジアム2002

【日本代表・総評】
5.5
「ボールを持たれて、攻め込まれる時間が長かった。それは想定内だったとはいえ、日本はあれだけのメンバーを揃えていても、ここまで回されるか、というのが正直な感想。力の差を痛感させられる内容だった。

 チャンスがなかったわけではないけど、日本はそれをモノにできず、相手はしっかりと決めきる。ギリギリの勝負で勝てず。目標の金メダルには届かなかったけど、3位決定戦は必ず勝ってくれると信じている」

【個人採点・寸評】
GK
12 谷 晃生 7
「アセンシオに決められた一発は、相手を褒めるしかない。この失点をのぞけば、39分の1対1を止めた場面など数々のビッグセーブでピンチを救っていたし、最後の砦として存在感を放っていた。ハイボールの処理も危なげなし。コーナーキックの時にわりとパンチングしていたけど、何回かはキャッチできるんじゃないかなっていう時があった。押し込まれている展開だと、できれば相手のセットプレーではマイボールにしてほしい。まあ、気になったのはそれぐらいかな」

DF
2 酒井宏樹 6.5
「劣勢の時間帯が長くて、持ち前の攻撃参加を見せる回数はそれほど多くなかったけど、守備では踏ん張りをきかせていた。流動的に動いてくる目の前の相手をしっかりと監視して、局面の勝負でも簡単に抜かせなかった」

DF
5 吉田麻也 6.5
「圧倒的なボール保持率で厚みのある攻撃を繰り出すスペインを相手に、失点するまで耐えられたのも、オーバーエイジの3人がいるからこそ。そのなかでも中心的な役割を担い、豊富な経験を随所に見せて、後方からチームを盛り立てる。貫禄があった」

DF
4 板倉 滉 7
「一回、裏を取られたシーンがあったけど、120分を通じて、隙のないディフェンスを披露。果敢なシュートブロックなど、身体を投げ出したディフェンスが光った」

DF
3 中山雄太 6.5
「基本的な技術が高いから、相手に寄せられても慌てない。パスを出すにしても、すぐ近くの味方に出すのか、ひとつ飛ばすのか。状況に応じて球種を分ける。その判断も的確だった」
 
MF
6 遠藤 航 6.5
「田中とうまく連係しながら、ミドルゾーンの守備を引き締める。注目のペドリにも決定的な仕事をさせなかった。豊富な運動力で相手ゴール前に顔を出す時も」

MF
17 田中 碧 6(118分OUT)
「背後を取ってくる相手が気になったか、なかなか前に出られなかったけど、しっかりとリスクマネジメントしたポジショニングで不用意にスペースを与えず、堅実なディフェンスで奮闘」

MF
10 堂安 律 6.5(90分OUT)
「守備の負担が多いゲームだったけど、手を抜かず、精力的にやるべきことをやっていた。そのうえで、奪ったら推進力あるプレーで力強く前進。エネルギッシュに戦っていたし、ボールを持ったら、可能性を感じさせていたよね」

MF
7 久保建英 6(90分OUT)
「後半の途中からはやや疲れが見えたかな。相手のアンカーを消すなど、守備面で高い貢献度を見せる一方で、攻撃面では枠に飛ばす惜しいシュートも。普段からスペインでプレーしているだけあって、言い方は難しいけど、"やり慣れている"感はあった。彼にとっても非常に残念な結果になってしまった」
 

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