【中断明けの青写真|甲府】現有戦力の維持がこの夏の最低目標。一方でストライカー補強の可能性もあるか

2021年08月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

2位・磐田との再開初戦が試金石の試合に

首位に勝点5差の5位につける甲府。再開初戦は、いきなり2位・磐田との大一番だ。写真:田中研治

 今季初の4連勝を飾って中断期間に入った甲府。オフは3日間と短く、中断の3週間は攻守のコンセプトの再確認が図られている。最初の1週は「攻撃」、次の1週は「守備」、最後の1週は再開後の最初の相手である「対磐田」と大まかにテーマを設定してトレーニング。前線の守備のアグレッシブさをより強調した戦いを選択した20節の群馬戦から連勝は始まっており、大きな変更よりも積み上げてきた戦いの成熟に時間を割いている。

 可変システムの熟成、柔軟性も備わりつつあり、伊藤彰監督も「選手がしっかり反応してくれている」と前半戦の戦いを経て選手が同じ絵を描いて戦えるようになっているのは後半戦につながるだろう。サイド攻撃に加え、中央の崩しも磨いており、攻撃の幅を広げて中盤から終盤の戦いに臨むことになる。
 夏のウインドーでは出場機会に恵まれていなかったDF金井貢史が琉球へ移籍し、MF中山陸が富山へレンタルで出た。加入の動きは今の所ないが、ストライカーは補強の可能性がありそうだ。CFのウィリアン・リラ、有田光希はここまでともに1ゴールと寂しい数字にとどまっており、最終局面で仕事ができる選手が加われば後半戦に昇格圏浮上の起爆剤となりえる。

 ただ、資金面に限りがあることも踏まえれば、現有戦力の維持がこの夏の最低目標となる。前半戦は大卒1年目の関口正大や鳥海芳樹や長谷川元希が出場機会を掴み、結果もしっかりと残している。伸びしろのある若手が多く、継続と成長を続けて終盤に向かうことでチーム力がぐっと高まる可能性を秘めていることは強みとなるだろう。

 中断前はポゼッションして相手を押し込む戦いを目指しつつ、守備を重視した現実的な割り切りも選択しながら勝点を積み上げてきた。昨季から主力が大幅に入れ替わるなか、昇格圏と勝点5差の5位につけている現状は高く評価されるべきだろう。一方、前半戦は上位8チームとの対戦成績は3分け4敗と未勝利。昇格争いに生き残るには上位との直接対決でいかに勝ち切れるかが問われ、再開初戦にホームに迎える2位・磐田との一戦は今後の戦いを占う試金石の試合となりそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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