イエローカードの恐怖を乗り越えた遠藤と田中。スペイン戦では思い切り暴れてくれ‼【東京五輪/編集長コラム】

2021年07月31日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

堂安にはあのゴラッソの再現を期待したい

「あと一枚で…」という呪縛から解放された遠藤。スペイン戦での活躍が楽しみだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 ニュージーランドとの準々決勝は、イエローカードの恐怖とも戦う一戦だった。この試合を前に、堂安、冨安、中山、田中、遠藤があと1回の警告で次戦出場停止になる状況だった。準決勝以降も見据えれば、ここでカードをもらうわけにはいかないというプレッシャーが彼らにあることは想像できた。

 実際、ニュージーランド戦では、堂安、田中、遠藤あたりがかなり慎重に守備をしている印象だった。準決勝に進めば累積警告が一旦リセットされるので、「この一戦さえ"無傷"で乗り切れば」という計算があってもおかしくないだろう。

 結果、このニュージーランド戦でイエローカードをもらった冨安はスペインとの準決勝に出られなくなったが、幸い、堂安、田中、遠藤、中山は「あと1枚で…」という呪縛から解放されることになった。

 これは日本にとってかなりポジティブなことだ。フランス戦、ニュージーランド戦をどこか窮屈そうに戦っているように映った田中と遠藤のボランチコンビが揃ってスペイン戦に、しかもイエローカードをリセットされた状態で出場できるのだから。

 強豪のスペインを倒すには中盤の攻防が大きな鍵。そこで主導権を握るには、遠藤と田中の吹っ切れたプレーが不可欠だろう。いずれにせよ、準決勝では思い切り暴れてくれ!!、とふたりにメッセージをおくりたい。
 
 また、フランス戦、ニュージーランド戦でゴールがなかった"10番"堂安にも、その悔しさをスペイン戦で晴らしてほしいという意味で期待したい。スペインとのテストマッチで決めたゴラッソをこの大舞台で再現できたら、チームに特大の勢いをもたらすことができる。

 久保にスポットライトが当たりがちだが、やはり10番の堂安の活躍なくしてスペイン撃破は達成できないだろう。やる時はやる選手だと信じているし、それを誰よりも理解しているのはきっと本人だ。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)

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