「VARドラマ」日本撃破にスウェーデン紙は2つの判定に感謝!「救いの天使がやってきた」【東京五輪】

2021年07月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

かたやVARに泣き、かたやVARに笑った

準決勝進出を喜ぶスウェーデンの選手たち。その様子は日本の選手たちとはあまりに対照的だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 日本女子は7月30日、東京五輪の準々決勝でスウェーデン女子と対戦し、1-3で敗れた。

 日本は開始7分にマグダレナ・エリクソンに先制を許すが、23分に長谷川唯のピンポイントクロスに田中美南が左足で合わせ、同点に追いつく。これで息を吹き返し攻めるなかで、直後の30分には田中がペナルティエリア内で倒され、PK判定に。逆転のチャンスかと思われたが、VAR介入の末、ノーファウル判定となってしまう。

 結局、その後もチャンスもありながらモノにできずにいると、53分に左サイドをスティナ・ブラクステニウスに破られ、逆に勝ち越し点を献上。さらに63分にもシュートブロックに入った三浦成美がVARチェックによりハンドを取られ、PKでコソバレ・アスラニに致命的な1点を奪われた。

 この結果に対し、スウェーデン側はVARが勝敗を分ける要因になったと考えているようだ。現地紙『Hallands Nyheter』は「VARドラマを経てオリンピック準決勝に進出したスウェーデン」と題し、以下のように極東での一戦を伝えている。
 
「スウェーデンは7分に早くもエリクソンがゴールを奪うが、23分にビョルンとイレステットの両選手が、相手との距離を縮めずに躊躇した守備をしたことで、ハセガワのパスから、タナカに1-1となるシュートを決められてしまう。

 これで試合の流れが変わり、日本はそれまで不足していたキレのあるパス回しをするようになった。そして、同点ゴールから10分も経たないうちに、スウェーデン側はさらに暗くなった。イレステットがタナカと衝突し、主審がペナルティの笛を吹いたのだ。1-2になると思われたが、ここで救いの天使が、つまりVARがやってきた。主審は、ビデオレビューの後、判定が間違っていたことを認めたのだ。

 後半に入ると、日本が多くボールを持つようになり、再び緊張した状態になったが、ノックアウトマッチでは、傑出したゴールスコアラーの存在が重要であり、スウェーデンにはトップスコアラーのブラクステニウスがいる。彼女は53分に2-1とする、今大会4ゴール目を挙げてみせた。

 その後、63分に次のVARレビューの時間になると、スウェーデンはさらに歓声を上げた。今度はアスラニのシュートがミウラの手に当たり、主審はこれをPKとしたのだ。これをアスラニ自ら決め、3-1とした」

 同紙は自国エース、ブラクステニウスの「非常にスキルの高い対戦チームで、彼女たちは我々に厳しい状況をもたらした」というコメントも伝えたように、ほんの細かな出来の差が雌雄を決した準々決勝。なでしこジャパンはこの悔しさを糧に、再び世界に挑戦したい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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