移籍専門記者のメガクラブ動向チェック【インテル】大刷新に向けたターゲットは?

2015年06月08日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

中盤は「赤と白のギンガムチェック」に染まる!?

マンチーニはこのオーバメヤンを高く評価。すでに代理人とコンタクトを持ったようだ。 (C) Getty Images

 マウロ・イカルディとの契約延長を終えたインテルのロベルト・マンチーニ監督は、新シーズンはより高い目標を目指すために、チームの大刷新を構想しており、そのターゲットとしてすでに複数の名前が挙がっている。
 
 まず、チェルシーがハイドゥク・スプリトから獲得し、14-15シーズンはスペインのエルチェにレンタルした95年生まれの大型MFマリオ・パシャリッチ。マルセロ・ブロゾビッチ、マテオ・コバチッチと同じクロアチア代表で、インテルの中盤が赤と白のギンガムチェックに染まる可能性も出てきた。
 
 それ以上に強い関心が向けられているのが、ミランから古巣エンポリにレンタルされて後半戦の主役となったリッカルド・サポナーラ。エンポリはこのまま保有権を買い戻す可能性が高く、その後に国内外からのオファーを検討する思惑を持っている。
 
 さらに、リーベル・プレートの22歳マティアス・クラネビッテルにもアプローチ中。アトレティコ・マドリーと競合しているが、いまのところインテルが一歩リードしている状況だ。
 
 もっとも、クラネビッテルに関してはすぐに戦列に加えず、キエーボあるいはサンプドリアにレンタルしてヨーロッパ(とイタリア)の環境に慣れさせ、段階的なステップアップをサポートしていく方針を持っている。
 
 FWでマンチーニ監督が高く評価しているのは、ドルトムントのピエール=エメリク・オーバメヤン。彼もサポナーラ同様、元ミランというキャリアの持ち主だ。すでに代理人との接触が始まっている。
 
 最終ラインでは、13-14シーズンまでローマでプレーしていたバイエルンのメハディ・ベナティアに照準を合わせ、6月6日、代理人のジョバンニ・ブランキーニを仲介に立てて、バイエルンのカール=ハインツ・ルムメニゲCEO、そしてジョゼップ・グアルディオラ監督の代理となる弟のペレと三者会談を持った。
 
 しかしバイエルンの返事はNO。選手サイドもクラブの意向に従う意思を示しており、交渉が進展する余地はなくなった。
 
 インテルは代替候補として、モナコのCBアイマン・アブデヌールにターゲットを切り替える方針だ。
 
 もうひとつ、インテルにとって大きな課題が、15-16シーズン末に切れるGKサミール・ハンダノビッチの契約延長。つい先日までは年俸300万ユーロ(約4億2000万円)で更新という基本線で話が進んでいた。
 
 しかし、ダビド・デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)のレアル・マドリー移籍話が具体化し、その後釜候補としてハンダノビッチの名前が挙がったことから、選手サイドが交渉をストップ、事態の進展を見守るという状況になっている。
 
 インテルはもし契約延長が成立せず移籍を容認せざるを得なくなった場合、イタリア代表でパリSGのサルバトーレ・シリグを後釜の第一候補に考えている模様だ。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
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