「あまり守りたくはなかった」田中碧が守備で貢献するも、試合に満足していない理由は…【東京五輪】

2021年07月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

「全部勝って優勝すれば、誰にも文句言われない」

広範囲をカバーした田中は、遠藤とともに相手の攻撃をシャットアウトした。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 東京五輪の男子サッカー、グループステージ2節の日本対メキシコが7月25日に行なわれ、日本が2-1で勝利した。

 ボランチで起用された田中碧は、90分間フル出場。6分に久保建英、12分に堂安律が得点し、早い時間にリードしたことで、田中は遠藤航とともに守備重視のプレーに回り、局面での激しいプレーが光った。一方で攻撃では68分、堂安へのミドルパスが相手の退場を誘い、間接的に有利な状況も作り、勝利に貢献している。

 試合後の取材に応じた田中は、メキシコ戦をこう振り返った。

「早い時間に点が入ったことで守る展開になりました。あまり守りたくはなかったですけど、しっかりと0点で進められたのは良かったですね。もうちょっとボールを握りたかった部分もありますが、ボールを奪う位置も低かったので、中々カウンターには行けなかったです」
 
 強豪メキシコに先制した点については「タフなゲームで先に点を取れるっていうのは、後ろの選手からしたら有難い」と話し、得点者の久保と堂安には「本当に心強い存在」とコメントした。

 今回の出来については「もっとやれることがあった」と言い、「自分が関わらなくてもボールを守りきれたり攻めきれたりする展開で、何ができるか」が課題という。相手の退場を誘ったパスには「最低限の仕事はできた」と話し、優位な状況を作ったファインプレーにもかかわらず、さほど満足感を示すこともなく淡々と振り返った。

 確かに田中は攻撃面で違いを作れる選手。そのため、2点を先行してからの出来に不完全燃焼の想いを抱くのも理解できる。「自分たちが主導権を握ってやりあえる」という自信や、「やりたいことをやって勝てるようなチーム」という味方への信頼があり、実際に前節の南アフリカ戦では決勝弾をアシストしている。

 メキシコ戦で「もっとやれること」を感じた分、次のフランス戦への想いは強い。「(GS突破が)引き分けで良いとかではなく、全部勝って優勝すれば、誰にも文句を言われない」という熱意は、攻撃面の特長を引き出すきっかけとなるか。

 フランスとの最終戦は28日の20時30分キックオフで、横浜国際総合競技場にて行なわれる。勝利またはドローで決勝トーナメント進出。また日本が敗北し、他会場のメキシコが勝利しても、日本が1点差以内の敗北であれば突破できる。かなりの好条件とはいえ、油断は禁物だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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