日本に待ち受ける試練。“天敵”メキシコの完成度は相当高い! 最も警戒すべきは…【東京五輪】

2021年07月23日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

ポイントはライネスと対峙する左SB

10番のライネスらテクニックに優れた選手が居並ぶメキシコ。日本にとっては厄介な相手だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 7月22日、東京五輪の男子サッカーが一斉開催され、U-24日本代表はU-24南アフリカと対戦。1-0で辛くも勝利した。

 序盤から圧倒的にボールを支配した日本だが、5-4-1のブロックを作って守備を固める相手をなかなか崩しきれず。久保建英が得意の左足でゴールをこじ開けたのは、71分だった。

 何とか勝点3を奪取した日本だが、次に待ち受けるのは難敵メキシコだ。2012年のロンドン五輪王者は、国外でプレーしているのはベティスの技巧派MFディエゴ・ライネスのみだが、国内の好タレントが揃っている。

 しかも、吉田麻也と酒井宏樹も出場したそのロンドン五輪の準決勝で1-3と完敗したように、スピーディーな組織的なサッカーという特徴が似ているうえ、個の能力が高く馬力もあるこの北中米の雄を、日本はやや苦手にしている。

 昨年11月にオーストリアで開催されたA代表の親善試合でも、0-2で敗北。経験豊富な守護神ギジェルモ・オチョア、MFルイス・ロモ、FWヘンリー・マルティンのオーバーエイジ3人やライネスら、その試合に出場した選手にうち8人が、五輪のメンバーに選ばれている。

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 22日の初戦は、強豪フランスに4-1で圧勝。結果だけでなく、内容でも明らかに上回っていた。A代表と同じく、テンポ良くボールを動かすスタイルで、他のリーグの試合をすべてチェックしたわけではないが、その連動性、完成度は今大会屈指かもしれない。

 その中で違いを作り出していたのが、やはりライネスだ。4-3-3の右ウイングに入った10番は、19分に切れ味鋭いドリブルで切れ込んで決定機を作り出せば、47分にも右サイドで仕掛けて、正確なクロスを送り込み、ベガの先制ヘッド弾をアシスト。日本戦でも脅威となりそうだ。

 守備面では、GKオチョアがさすがの存在感を発揮していた。その守護神抜きで最終予選5試合2失点の守備ブロックを崩すのは簡単ではなさそうだ。

 ポイントはキーマンのライネスと対峙する左SBに、日本が誰を起用するのか。守備力に長けた中山雄太を継続するのか、攻撃力のある旗手怜央に替えてやり合うのか。この試合を見る限り、フランスのほうが与しやすいのは確実で、勝ちに行くのか、ドローでも良しとするのか、森保一監督のマネジメントも問われそうだ。

取材・文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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