「取り上げてもらいたくないので…」記者に“異例のお願い”をした岩渕真奈の真意

2021年07月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ポジティブにお願いしたいです」

試合後に田中のPK失敗について言及した岩渕。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 優しきエースが仲間を気遣った。

 7月21日に行なわれた東京オリンピック女子サッカーのグループステージ第1戦で、なでしこジャパンは強豪のカナダと札幌で対戦。1-1のドローに終わった。

 開始6分に、警戒していたクリスティン・シンクレアにいきなり先制点を奪われる苦しい展開のなか、後半頭から投入された田中美南がいきなりPKを獲得。だが、自ら蹴った絶好機を外してしまう。

 それでも、84分にエースの岩渕真奈が見事な抜け出しから、ファインゴールを決めて同点に追いつき、PK失敗が致命傷になるのは避けられた。
 
 試合後の会見で、岩渕はピッチに入ったばかりの田中に「蹴れば?」と声を掛け、PKを譲ったことを明かした。自身もカナダの厳しいマークに苦しむなか、初戦でゴールが欲しかったはず。しかも、日本女子代表の新記録となる5試合連続ゴールがかかっていたのにだ。

 しかし、結果的に田中がセーブされてしまい、この失敗に注目が集まるのを危惧した。重圧がかかる場面で、PKを譲ったことにも少なからず責任を感じていたのだろう。

「PKのミスについては取り上げてもらいたくないので……。記者の皆さんにはポジティブにお願いしたいです」

 敗れていれば、否が応でもPK失敗がクローズアップされたはず。自らの一撃で、嫌なムードを払拭した10番を、田中は頼もしく思ったことだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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