久保建英は元同僚3人が形成するスペインの守備網を打ち破れるか。「昔のチームメイトと戦うのは…」

2021年07月17日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「だれが来るとか関係なく、勝ちにいきたい」

久保が(右上から)E・ガルシア、パウ、ククレジャら元同僚に挑む。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影,Getty Images

 22日に南アフリカとの東京五輪初戦を戦うU-24日本代表は17日、ノエビアスタジアム神戸でU-24スペイン代表と大会前最後の強化試合に挑む。

 MFペドリやGKウナイ・シモンらEURO2020でベスト4進出に貢献したメンバー6人に加え、マルコ・アセンシオ、ダニ・セバジョスら好タレントがずらりと揃うスペインとの対戦は、金メダルを目標に掲げる日本にとって、格好の腕試しの場となるだろう。

 注目されるのは、やはり久保建英だ。トップ下に入ると予想される20歳は、バルセロナのカンテラ(下部組織)で育ち、現在もそのバルサの宿敵レアル・マドリーに籍を置いている。ここ2年は、2019-20シーズンにマジョルカ、20-21シーズンにはビジャレアルとヘタフェでプレー。スペインのサッカーを熟知しているのは言うまでもない。

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 そして、久保が挑むスペインの最終ラインには、元チームメイトが顔を揃えている。右CBのエリク・ガルシアは、同じ2001年生まれでバルサのカンテラでは同じチームでプレーしていた。そのチームでキャプテンも務めたE・ガルシアと久保は、1歳下のアンス・ファティらとともに、日本で開催された大会で優勝したこともある。

 久保は、バルサが18歳未満の外国人選手獲得の規定違反による制裁を受けた影響で2015年に日本に帰国し、E・ガルシアは17年に16歳でマンチェスター・シティへと移籍した(今夏にバルサに復帰)。

 6年の歳月を経て、敵として相まみえることになったE・ガルシアについて、久保は「昔のチームメイトと戦うのは、試合後に話せたりして、いい思い出になることもあるが、特にだれが来るとか関係なく、勝ちにいきたい」と特別な想いはないことを強調した。とはいえ、対戦を楽しみしていることだろう。

 そのE・ガルシアとCBコンビを組むのが、EUROではポジションを争ったパウ・トーレスだ。この左利きの大型DFと久保は、昨シーズンの前半戦、ビジャレアルでともにプレーした。久保の移籍交渉でビジャレアルとのパイプが強くなったマドリーが、パウの獲得に興味を持っていると取り沙汰されたこともあった。

 ウナイ・エメリ監督の信頼を勝ち取れず、「正直、思ったようにいかなかった」という半年間で、久保はなかなか本領を発揮できなかった。サブメンバーとして、紅白戦などで何度もマッチアップしただろうパウとの"再戦"では、持ち味の仕掛けで翻弄するところを期待したい。ちなみに、もう一枚のCBヘスス・バジェホも、久保とシーズンを共闘したことはないが、マドリーの保有選手だ。
 

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