総市場価値682億円は断トツ!“金メダル候補”スペイン五輪代表はどんなチーム? 番記者が挙げたキーマンはペドリではなく…

2021年07月17日 セルヒオ・サントス

唯一手薄なポジションが…

U-24スペイン代表の最新序列。赤字がオーバーエイジ。

 スペインは今大会最強のスカッドを有するチームだ。それは「Transfermarkt」が算出した5億4590万ユーロ(約682億円)という市場価値総額によって裏付けられている。ちなみに2位は大きく離されてブラジル(3億4400万ユーロ=約430億円)。他の優勝候補はアルゼンチンとドイツが1億2800万ユーロ(約160億円)、フランスが1億2200万ユーロ(約152億円)とさらに下がる。

 スペインが圧倒的な数字を叩き出している背景には、五輪のようなFIFAの日程に組み込まれていない大会であっても、スペイン代表から招集を受ければ、クラブは選手の貸し出しを義務付けられているという国の法律がある。事実、他の国は、スペインのような法律上の強制力がないためにキリアン・エムバペ、モハメド・サラー、ヴィニシウス・ジュニオールらエース格の選手が参加を希望しながら、招集を見送らざるを得なかった。

 たしかにスペインもファビアン・ルイス、ボルハ・マジョラル、フェラン・トーレスといった国外でプレーする選手を招集することができなかった。しかしウナイ・シモン、エリク・ガルシア、ペドリ、パウ・トーレス、ダニ・オルモ、ミケル・オジャルサバルというEURO出場組も加わり、他のチームほど大きなダメージを被るには至っていない。

【動画】名手がまさかの…スペイン五輪代表の守護神ウナイ・シモンがEUROで献上した衝撃のオウンゴール

 スペインが志向するのはもはや伝統となっている中盤でのコントロールを基調としたポゼッション型のサッカーだ。しかも大半の選手が、アンダー世代からルイス・デ・ラ・フエンテ監督の下でプレーしており、チームワークも抜群だ。とりわけ選手層の厚さは群を抜いており、毎試合、他チームなら不動のレギュラーを張れる3、4人の選手がベンチスタートを余儀なくされることになりそうだ。

 そんな中で唯一手薄と言えるのが右サイドバックだ。レギュラー格のオスカル・ミンゲサは強豪バルセロナの選手だし、オスカル・ヒルも新シーズン、1部に復帰するエスパニョールのレギュラーだが、相対的に見劣りする。

 ただそれはそれだけ各ポジションが充実している証でもある。例えばGKはEUROで評価を高めたウナイ・シモンが務め、CBもエリク・ガルシアとパウ・トーレスというA代表組がペアを形成する。キャプテンで控えCBのヘスス・バジェホ、左SBのマルク・ククレジャも実力者だ。

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