「まだ興奮しているが、仕事も失った」仮病でEURO観戦の英国サポがクビに…発覚したまさかの理由とは?

2021年07月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

「後悔は多少あります」

イングランドが初の決勝進出に沸くなか、ひとりの女性が失職していた。(C)Getty Images

 現地観戦に訪れたイングランド・サポーターが、まさかの"被害"に遭った。スペイン紙『MARCA』が7月9日付けで伝えている。

 7月7日に開催されたEURO2020準決勝でイングランドは、デンマークとウェンブリーで激突。30分にミケル・ダムスゴーにFKを叩き込まれ、今大会初失点を喫するが、39分にブカヨ・サカの折り返しが相手DFシモン・ケアのオウンゴールを誘発し、同点に追いつく。

 その後は圧倒的に押し込むも、得点を奪えないなか、ようやく勝ち越しに成功したのは延長に入って104分だった。ラヒーム・スターリングがエリア内で倒されてPKを獲得。キッカーのハリー・ケインが一度はGKキャスパー・シュマイケルにセーブされたものの、こぼれ球を押し込んだ。このままイングランドは逃げ切り、2-1で勝利。メジャー大会では、優勝した母国開催のワールドカップ以来、55年ぶりの決勝進出を果たした。

 待ちわびた瞬間に、聖地へ詰めかけた6万人超のサポーターのテンションは最高潮に達するが、ひとり"難題"を抱えていたのがニーナ・ファルーキさんだ。

 直前に友人からチケットを譲り受けたという37歳の彼女は、当日は仕事が入っていたため上司には体調不良と伝え、リーズから電車でロンドンへ。母国の代表戦を存分に楽しんでいたが、39分の同点ゴールで事態は急転する。
 
 得点の瞬間、大興奮のファルーキさんとその友人はカメラに捉えられ、なんと家で静養しているはずの彼女の姿は世界中に発信されてしまったのだ。大注目の一戦とあって、そこからの展開は早かった。ハーフタイムにメッセージを見て、アメリカやオーストラリアの友人がテレビで自分を発見したのを知った時の彼女の心境は想像に難くない。案の定、上司から「明日から来なくていいよ」と連絡があったという。

【動画】WOWOWのハイライトにも映り込む!大興奮のファルーキさん(56秒~、左から2人目)

 その後、ファルーキさんは現地紙『Daily Telegraph』の取材に対応し、心境を明かしている。

「後悔は多少あります。誰もクビにはなりたくないですからね。でも(観戦の)チャンスを逃す後悔も嫌でした。上司には『試合会場にいたのを見た』と言われ、その理由を正直に話しましたが、共感は得られませんでした。それが彼らの判断であり、私がしたことの結果なのです」

 イングランド女子スーパーリーグのカメラマンとして、仕事の多くをサッカー場で過ごしているファルーキさんは、サッカーが自分の人生だとも語っている。

「こんなことは1996年以来です。(EURO準決勝のドイツ戦で)ガレス・サウスゲイトがPKを外したとき、母のソファで泣いたことを鮮明に覚えています。今は複雑な心境です。決勝に進出して、まだ興奮していますが、仕事も失いました」

 彼女にとっては、あらゆる意味で忘れられない夜となった。

構成●サッカーダイジェストweb編集部

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