強烈ミドルのボランチ、スピードが持ち味のSB…U-16代表候補合宿で存在感を示したインターハイ注目銘柄4選

2021年07月09日 松尾祐希

7月の代表活動に参加した高体連所属選手は8名

今夏のブレイクも期待される流経大柏の2年生ボランチ堀川大夢。写真:松尾祐希

 昨年度の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)は新型コロナウイルスの感染拡大により、史上初めて中止となった。

 あれから1年。

 今夏は2年ぶりにインターハイが行なわれる。高校生にとって待ちに待った檜舞台。大学進学やプロ入りを目指す3年生にとって重要であるのはもちろん、下級生にとってもJクラブのスカウトに名前を覚えてもらう上でターニングポイントになる大会だ。

 インターハイをきっかけに飛躍した選手は数え切れないほどいる。近年では2018年度に1年次から注目を集めていた西川潤(当時桐光学園、現C大阪)が、2年生ながらチームを準優勝に導く活躍を見せ、自身の評価を揺るぎないモノとした。今年のインターハイで誰がブレイクを果たすのか。まだ見ぬ逸材の台頭から目が離せない。

 7月5日から8日まで千葉県内で行なわれたU-16代表候補合宿にも、今夏の全国舞台で飛躍を目指す、高体連のチームで研鑽を続ける注目株たちが参加している。

 今回の合宿で高体連のチームから選出されたのは8名。そのうちMF宮原勇太(興国/1年)、MF篠田翼(昌平/2年)、FW小田晄平(昌平/1年)はチームが予選で敗退しており、夏の檜舞台に立つことはできない。また、静岡学園のFW神田奏真(1年)はメンバー入りを果たせるかは不透明。そうした条件を当てはめると、今回招集された選手で本大会でブレイクの可能性があるのはMF堀川大夢(流経大柏/2年)、DF櫻井稜(鹿島学園/2年)、DF根岸優汰(東海大相模/1年)、GK中村圭佑(静岡学園/1年)の4選手だ。
 
 早生まれでU-16代表に入る資格を持つ堀川はC大阪U-15出身のボランチだ。チームではFWで起用される場合もあるが、豊富な運動量を武器に下級生ながらトップチームに定着。今季のプレミアリーグでは途中出場が多いものの、流れを変える切り札として期待をかけられている。5月のU-16代表候補合宿に続く参加となった今回の代表活動では、存在感を発揮した。7日に行なわれた市立船橋(1●2)との練習試合では強烈なミドルシュートを決め、成長の跡を示した。

 追加招集で今回のU-16代表候補合宿に参加した櫻井はスピードが持ち味のサイドバックだ。今回の活動で初めて日の丸を背負ったが、合宿中の30m走ではチームトップの数値を叩き出すなど脚力は世代トップクラス。7日に行なわれた千葉U-18(2●3)との練習試合では持ち味を発揮できない時間帯もあったが、スピードを生かした攻撃参加でチャンスに絡む場面も何度かあった。森山佳郎監督も「櫻井は自分の武器を見せてくれた。今後はできることを増やしていってほしい。武器を持った選手なので楽しみ」と話した通り、今回の活動をきっかけにできればインターハイでのブレイクも十分にあり得る。
 

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