【韓国メディアの視点】ACLの敗因に経営状況の悪化を指摘。Jクラブの経営手法に賞賛の声も

2015年06月02日 慎武宏

「Jリーグは韓国と同じ減量経営だが、ACLで善戦している」と指摘。

G大阪とともにグループFを勝ち抜いた城南FCもラウンド16で敗退。キム・ハクボム監督は、Kリーグの経営状況の悪化を敗因のひとつに挙げた。(C) Getty Images

 水原三星は柏レイソルに、FCソウルはガンバ大阪に、城南一和は中国の広州恒大に敗れて3チームがACL決勝トーナメント1回戦で姿を消してしまったKリーグ勢。中国の北京国安に競り勝った全北現代が唯一ベスト8に進出し面目を保ったが、国内メディアは今回の結果を嘆かずにはいられない。
 
 ネット上のニュースポータルでは
「崩れたKリーグの自尊心、4チーム中3チームがACL 16強で脱落」(ネットニュース『STAR NEWS』)
「ACL16強で一気に脱落…絶望のKリーグ」(一般紙『韓国日報』)
など、敗戦に大きな失望を表わした見出しも並んだ。
 
 そんななかで、Kリーグの敗因としてクローズアップされているのは、城南FCのキム・ハクボム監督が広州恒大戦の敗退直後に発した言葉だ。
「全北が積極的な投資を通じて良い成績を出したように、Kリーグのほかのクラブも投資と発展計画を立てなければならない。今のような状況ではKリーグは今後、中国や日本のJリーグを越える上で、難しい壁にぶつかるだろう」
 
 このように、ACLの敗因としてKリーグの経営状況の悪化を指摘する声が多いのだ。一般紙『国民日報』も「全北だけ残った…沈滞するKリーグの限界」と題した記事のなかでこう指摘している。
「Kリーグは最近10年近く興行不振と母体企業からの投資減少によって、スター級の選手たちが大挙して海外に移籍し、それがまた興行不振を呼ぶ悪循環にある。積極的な投資を惜しまない全北が、今大会で成果を出していることがせめてもの救いだ」
 
 Kリーグも中国スーパーリーグのような積極果敢な投資をすべきという意見だが、投資が多ければ無条件で良いというわけでもない。スポーツ紙の『スポーツ京郷』は、「減量経営のJリーグ、なぜアジアでうまく行くのか」と題した記事のなかで、こう提言している。
 
「投資が多ければ成績を上げる確率も高くなるかもしれない。だが、Jリーグは韓国と同じような減量経営でも、今年のACLで善戦している」として、Kリーグが参考にしなければならないJリーグの特長をいくつか挙げている。

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