【J1採点&寸評】鳥栖×浦和|浦和が今季最多6発圧勝! 第1ステージ最短優勝は6月7日の15節・清水戦。

2015年05月30日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

痛恨だった吉田の早々の退場劇…。エース豊田が槙野と那須に封じられ、シュート0本に終わる。

【警告】鳥栖=吉田(18分) 浦和=那須(39分)、藤田(78分) 【退場】鳥栖=吉田(22分) 【MAN OF THE MATCH】柏木陽介(浦和)

【試合内容】
 前半の浦和は「3年半率いてきたのとは、別のチームみたいだった。相手に合わせてロングボールを蹴り、まるでバレーボールを見ているようだった」(ペトロヴィッチ監督)という内容で、22分の段階で数的優位に立ちながら、鳥栖の水沼に渾身のFKを決められてしまう。ハーフタイムには指揮官から「今年一番の雷が落ちた」(槙野)そうだ。
 
 すると後半、浦和はパスをつないで崩すスタイルを徹底。鳥栖を自陣に釘付けにし、阿部のミドルのこぼれ球を武藤がねじ込み同点とする。さらに流れるような連係から、柏木がヘッドで押し込み逆転に成功! その後、興梠、ズラタン2発、梅崎と今季最多となる計6得点のゴールラッシュを演じた。
 
 浦和は開幕から13試合負けなしで、02年横浜、03年名古屋のJ1記録に並んだ。浦和の全勝とG大阪の1分1敗以下などが条件で、最短優勝は7日の15節・清水戦だ。

【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・14節

【J1採点&寸評】全9カードの評価をチェック!

【チーム採点・寸評】
鳥栖 5.5

GK林の痛恨の"エラー"などで大量失点を喫した。前半は浦和をノーチャンスに抑えていただけに……吉田の不用意なファウル(22分までに2枚のイエローカードで退場)さえなければ展開は違っていたはずだ。
 
浦和 6.5
前半の鳥栖ペースから一転、数的優位な状況を活かして後半は一方的に攻めた。これまでサイドからの崩しが多かったなか、このタイミングで、コンビネーションによる中央突破から柏木の今季初ゴールが生まれたのも大きい。

【チーム採点・寸評】
鳥栖 5.5
GK林の痛恨の"エラー"などで大量失点を喫した。ただ前半は浦和をノーチャンスに抑えていただけに……吉田の不用意なファウル(22分までに二枚のイエローカードで退場)さえなければ展開は違っていた。
 
浦和 6.5
前半は鳥栖ペースだったが、後半は一方的に攻めた。今季これまで攻撃がサイドからの崩しに偏る傾向が見られたが、このタイミングで連係による中央突破から柏木の今季初ゴールが生まれたのも大きい。
 
【鳥栖|採点・寸評】
GK
33 林 彰洋 4.5
7試合ぶりに怪我から復帰。ポジショニングが甘く、瞬発力も欠き、3失点を献上した。

DF 
15 丹羽竜平 5
枚数をかけて仕掛けてくる浦和のサイドアタックを前半は我慢の守備で封じたが、後半に入り崩壊。

23 吉田 豊 3.5
危険なスライディングタックルと抜かれた相手を引っ張る二枚のイエローで22分に退場。いずれも主審の判定は妥当だった。雨の影響があったとはいえ、そこまで焦る必要はなかった。
 
29 谷口博之 5
前を向いた1対1の守備は力強かったが、興梠の揺さぶりに苦戦した。
 
36 菊地直哉 5
 武藤の失点シーンは、その直前の興梠に対するプレスが甘くなったために生まれた。

MF 
8 水沼宏太 6
 鳥栖の想いを結集させた一撃をFKで叩き込む。ただ、その他はほぼなにもできなかった。

10 キム・ミヌ 5
吉田の退場後は一時SBに入ったが、やはり体力をかなり消耗して、終盤は消えてしまった。
 
14 藤田直之 5
前半はセットプレーからチャンスを作った。ただ後半は球際でも劣勢に回り、スペースをカバーし切れず。

28 高橋義希 5
最終ラインの前でセカンドボールを拾って攻撃につなげたかったが、浦和のシャドーを捕まえ切れなくなった。

 22 池田 圭 5.5
鳥栖の誤算は、池田のポジションを替えたり、ベンチに退けたりした後、彼のマーク役だった阿部の攻撃参加を許したことだろう。

FW
11 豊田陽平 5
槙野や那須とのマッチアップは見応えがあったが、一歩目で相手のほうが上回っていた。シュート0本に終わる。
 
交代出場
MF 
16 チェ・ソングン 5
「よりボールを運べる選手」(森下監督)として左SBに投入。しかしラインを下げて、関根の仕掛けに苦戦した。

MF 
24 鎌田大地 5.5

 ペナルティエリア付近で、テクニカルな技を披露した。が、そこから前のより重要な局面に入り込めなかった。

MF 
9 ペク・ソンドン 5

起点になりたかったが、そこまでボールが入らず。シュートも打てなかった。
 
監督
森下仁志 5.5
 吉田退場後、よく耐えていた。しかしパワー系のペク・ソンドンやチェ・ソングンらの投入が、結果的に浦和のテクニカルなパスワークをより加速させてしまった。

次ページ「今年一番の雷」が落ちたあとの後半、浦和がパスワークで翻弄。柏木の今季初ゴールが逆転弾に!

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