【J1採点&寸評】FC東京×柏|決勝弾は武藤。試合後にマインツへの完全移籍が発表される

2015年05月30日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

右足でプッシュした三田の先制弾には魂が込められていた。

【警告】FC東京=森重(60分) 柏=クリスティアーノ(66分)、エドゥアルド(90分)
【退場】FC東京=なし 柏=なし
【MAN OF THE MATCH】三田啓貴(FC東京)

【試合内容】
 双方とも4-3-3システムでスタートさせたミラーゲームで先制したのは、FC東京。32分、武藤のチャンスメイクから最後はゴール前に走り込んだ三田がこぼれ球を押し込んだ。米本の負傷退場(21分)でプランを狂わされたかに見えたホームチームだが、落ち着いた試合運びで前半を1-0で折り返した。
 
 後半は柏が押し込む展開となり、62分にはレアンドロのPKで一旦は1-1とタイスコアになる。しかし、そこで挫けなかったFC東京は68分に武藤のPKで再び勝ち越し、2-1でリーグ戦での連敗を3でストップした。そして試合後、決勝点を決めた武藤のマインツへの完全移籍が味の素スタジアムの電光掲示板で発表された。

【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・14節

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【チーム採点・寸評】
FC東京 6.5
ほとんど決定機を与えなかった守備は評価に値。追いつかれても慌てず、千両役者・武藤の一撃で試合を制した。
 
柏 5.5
攻撃はレアンドロの個人技頼み。複数人で崩す形は見られなかった。ディフェンスもやや不安定で攻守に課題が。

【FC東京|採点・寸評】
GK
1 権田修一 6
1-0で迎えた59分にクリスティアーノの近距離からのシュートを抜群の飛び出しで阻止。キックの乱れさえなければMOM候補だった。
 
DF
3 森重真人 6
前半終了間際のシュートブロックはまさに壁。不可解な反則でPKを献上する不運もあったが、決して悪くないパフォーマンスだった。

6 太田宏介 6
左サイドからの崩しやセットプレーでチャンスを作った。左足のキックは相変わらず冴え渡っており、敵にプレッシャーを掛けていた。
 
29 吉本一謙 6
レアンドロをフリーにせず、要所要所で良い守備をしていた。身を挺してボールを弾き返す姿に、他のDFも勇気をもらったはずだ。
 
50 松田 陸 6
出場停止の徳永に代わり今季リーグ戦で初先発。対峙した工藤などと互角に渡り合い、トップレベルでも通用する技量をアピールした。

MF
4 高橋秀人 6
味方との距離感を確認しつつ、中盤のバランスが崩れないように振る舞った。惜しむらくは攻撃の局面で軽率なパスミスがあった点だ。
 
7 米本拓司 -
17分に柏の工藤と空中戦で競り合った際に左膝を負傷。そのまま立ち上がれずに担架で運ばれ、無念の負傷交代を余儀なくされた。
 
8 三田啓貴 6.5
こぼれ球に素早く反応し、スライディングするように右足でプッシュした先制弾には魂が込められていた。その執念を評してMOMに。
 
38 東 慶悟 6
ゴールこそなかったが、豊富な運動量で攻守に渡り貢献。何度かオフサイドに引っ掛かったのも、ある意味、アグレッシブさの証だ。
 
FW
14 武藤嘉紀 6
地震で2分弱中断という"嫌な間"も苦にせず、自ら得たPKを68分に落ち着いて決める。エースとして決勝ゴールと、良い形でサポーターに向けてマインツへの完全移籍を発表できた。
 
23 林 容平 6
果敢なプレスを武器に、ファーストDFとして機能。また攻撃面では先制点につながるシュートを放ち、チームのため人一倍汗をかいた。
 
交代出場
MF
34 野澤英之 6.5
米本負傷のアクシデントを受け、前半途中からピッチへ。セカンドボールの的確な処理、前線への正確なフィードと落ち着いていた。
 
FW
20 前田遼一 -
前線で激しく当たられても、なんのその。両チームが熱くなるなかでもクールなスタンスで、フェアプレーを主張していた。
 
監督
マッシモ・フィッカデンティ 6.5
結果的に野澤の投入が当たった。米本を失っても4-3-3から4-2-3-1へシステム変更するなどして、見事に乗り切った。
 
 

次ページあまり良いところがなかった茨田は、自らの誕生日を勝利で祝えなかった。

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