フィジカル勝負で「負けてはいけない」と気合い十分の前田大然。好評のゴールパフォは「娘と考えたい」

2021年06月22日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

俊足を生かし、馬力あるプレーで猪突猛進

目標にしてきた東京五輪のメンバーに選ばれた前田。「勝利に貢献できるゴールを決めたい」と言葉に力をこめる。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 過去の取材を振り返っても、前田大然は東京五輪を意識し、常に危機感を抱き、成長を遂げてきたように思う。「オリンピック」というフレーズもよく口にしていた。

「代表に呼ばれ続ける選手が、オリンピックに行けると思う」
「このままだとオリンピックに出られない。もっと成長しないと」

 不断の努力を続けた結果、大舞台に挑む18人のひとりに選ばれた。「家族が一番喜んでくれている。早く帰って、家族と会いたい」「周りの選手、スタッフが喜んでくれた。それが嬉しかった」。そして「金メダルを目指してやっている。勝利に貢献できるゴールを決めたい」と言葉に力をこめる。

 2016年、高卒で松本山雅FCに加入。その後、水戸ホーリーホック、ポルトガルのマリティモ、横浜F・マリノスと渡り歩いてきた。松本時代から五輪出場を目標に掲げ、走り続けてきた。「今まで所属してきたチーム、すべての人に感謝したい」と語る。

 選ばれし18人に名を連ね、責任感もより一層強くなる。

「マリノスのオリンピック世代もそうですけど、他のチームの仲の良い選手もいる。そういう選手たちの想いを背負って、僕たち選ばれたメンバーはやらないといけない。しっかり戦えればいいかなと思います」

 グループステージでは、南アフリカ、メキシコ、フランスと対戦。「どこのチームも身体能力は高い。そういった選手に自分は負けてはいけないと思っている。そこでしっかり勝負していけたらいい」とイメージする。

 たしかに抜群の身体能力は、前田のストロングポイントだ。まずはスピード。以前、「自分よりスピードで勝る選手はいる?」と質問すると、「いや、いないですね」と即答。速いと思う選手はいるが、実戦になれば「勝てる」と自負。「仮に、負けていたとしても、負けているとは言わない」と強気だ。

 スタミナも武器だ。「速いけどスタミナがあるよねって言われるのが不思議でしょうがない。足が速かったら、長距離も速いやろって」。

 さらには「自分は身体が強いと思っている。当たり負けしないのも持ち味」と、球際のバトルでも激しく戦える。
 
 フィジカル勝負で圧倒してみせる。俊足を生かし、馬力あるプレーで猪突猛進。なによりも期待したいのは、FWとしてはやはりゴールという結果だ。

 今季は、得点後に両手の拳を口元に添えるゴールパフォーマンスが好評だ。「最近娘がアンパンマンが好きでよくやるポーズ」は五輪の舞台でもお披露目されるのか。歓喜のセレブレーションは「娘と考えたい」とのことだ。

 日本が誇る韋駄天アタッカーの目覚ましい活躍が楽しみでならない。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストweb編集部)

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