「エリクセンの奇跡は彼のおかげ」伊医療専門家が称賛したデンマーク主将の振る舞いとは?「バロンドールを与えるべき」

2021年06月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

自身は63分に交代

ピッチに下りてきたエリクセンの妻サブリナさんを励ますケア。(C)Getty Images

 デンマーク代表の主将シモン・ケアには世界中から賛辞が寄せられている。

 6月12日のEURO2020フィンランド戦で、クリスティアン・エリクセンが試合中に倒れたとき、ケアは迅速かつ冷静な対応を見せた。

 エリクセンの気道を確保したケアは、駆けつけたメディカルスタッフがすぐに治療にあたれるよう、チームメイトに動くようにうながした。さらに、仲間とともに腕を組んで心臓マッサージを受けるエリクセンのプライバシーを守ると、ピッチサイドに降りてきて涙するエリクセンの妻に寄り添った。

 試合が再開されると、再びピッチに立ち、最終ラインで気丈に戦った。63分に交代したキャプテンについて、キャスパー・ヒュルマン監督は、この上なく消耗していたと話している。

 すぐに異変を察知し、気道確保に努めたケアの機転が、エリクセンの命を救ったと話す医療関係者は多い。だからこそ、死の淵にあった仲間を助けた行動への称賛は尽きない。

 ミランとインテルに所属するケアとエリクセンが日ごろプレーするイタリアの専門家、サッカー界有数の名誉でケアを称えてほしいと話した。

【画像】心臓マッサージを受けるエリクセンを囲むデンマークの選手たち
 イタリアの通信社『ANSA』によると、同国サッカー連盟医療委員会のメンバーであるピーノ・カプーア氏は、『Tg2Italia』で「エリクセンの映像はぞっとする。だが、奇跡が起きたのだと思う。ケアのおかげだ」と述べている。

「それだけで、バロンドールにふさわしいだろう。そう提案したい。彼の最初の対応のおかげで、エリクセンは救われた。彼が命を救い、エリクセンは再生したんだ。心停止の原因に関する診断結果が出るかは分からない。繰り返し言いたいのは、ケアにバロンドールを与えるべきということだ」

 賞で称えるとの考え方には、賛否両論があるかもしれない。いずれにしても、ケアの行動は最大の敬意を払われるにふさわしかった。そのことに、異論はないだろう。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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