「彼は一度死んでいた」デンマーク代表チームのドクターが“緊急搬送”エリクセンの状況を説明。復帰の可能性は…

2021年06月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

「最初は呼吸をしていて、脈も確認できたが…」

試合中に昏倒したが、一命をとりとめたエリクセン。(C)Getty Images

 現地時間6月12日に行なわれた、EURO2020のデンマーク対フィンランド戦で昏倒し、緊急処置を受けたうえ、病院に搬送されたクリスティアン・エリクセン。現在は容体は安定し、病院でさらなる精密検査を受けているという。

 そんななか、英紙『The Guardian』が13日付けで、デンマーク代表のチームドクターが、「その時」の状態を明かしたと伝えた。

 記者会見に登場したモーテン・ポーセン氏は、「駆け寄った時、呼吸はしていて、脈もあった。だが、そこから容体が変化し、心停止した」と語り、「すぐに心肺蘇生法を行なった。一回の除細動で彼の鼓動は戻った。非常に速い蘇生だったと思う」と振り返ったという。

「彼は一度死んでいた。どれだけ彼を失うことに近かったか? それは分からない。これまでに行なわれた検査結果では心臓には問題がないようだった。なぜこんなことが起きたのか、説明はできない」

 また、病院の検査の結果でも、今回のエリクセンの昏倒に関する心臓の病気などははっきりと確認できていないようだ。
 
 ちなみに、エリクセン本人は、SNSツールを使用し、仲間たちと会話することも可能な状態だという。同日、別の記者会見に登場したキャスパー・ヒュルマン代表監督は、『facechat』で会話したと明かしている。
 
「彼は、我々と家族のことを心配していた。『あまりその時のことをは覚えていないが、君たちがどう過ごしているかのほうが気になっている。僕よりも君たちのほうが気分を害したろう。僕は今にもトレーニングに行ける気分だよ』と言っていたよ。

 彼は我々がプレーすることを望んでいる。画面越しだが、笑顔を見られて良かった。チームは彼のために戦うという気持ちを新たにした」

 現在も検査入院中のエリクセンだが、現時点では復帰の具体的な見通しは立っていない。『The Guardian』によれば、ヒュルマン監督は「いつかまたプレーできたらいい」と語るにとどめており、今後さらに精密な検査などを行なう必要性があると指摘している。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 

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