藤田譲瑠チマ、ポヤトス体制で出場機会は激減… U-20代表合宿で浮上のきっかけを掴めるか

2021年06月11日 松尾祐希

4月以降、ピッチに立ったのは2回だけ

試合は3-6で敗れたものの、徳島の藤田がU-20日本代表で鋭いプレーを連発。写真:松尾祐希

 ベスト16に入ったU-17ワールドカップから約1年半。日本の躍進を支えたボランチは今季から新たな挑戦をスタートさせている。

藤田譲瑠チマ、19歳。2種登録されていた高校3年次にJデビューを果たし、ルーキーイヤーの昨季は41試合に出場した。多くのクラブが熱視線を送る存在に昇華すると、迎えた今季は中学時代から席を置いた東京ヴェルディを離れて徳島ヴォルティスに加わった。J2からJ1クラブへのステップアップ。胸を躍らせていた藤田だったが、今は壁にぶつかっている。

シーズン当初は出場機会を掴み、開幕から4試合連続で先発出場を果たした。しかし、新型コロナウイルスの影響で入国制限を受けていたダニエル・ポヤトス監督が4月17日の10節・鹿島アントラーズ戦から指揮を執り始めると、リーグ戦の出場機会が激減した。甲本偉嗣ヘッドコーチが監督代行を務めていた10試合(9節と先行して消化した14節を含む)で8試合に出場をしていたが、以降の8試合は途中出場で2度ピッチに立っただけ。わずか2か月で自分の置かれている状況が一変した。

現状について、藤田はこう話す。

「ポヤトス監督が来日してから、出場機会がなくなってしまった。監督が求めていることをまだ自分の中ではっきりと理解していないけど、まだ体現できていない。それが試合に出られない理由。守備では相手のカウンターの芽を潰すプレー、攻撃では簡単なパスや最後のラストパスでのミス。(監督が求めているプレーを探している段階の中で)そこは求められているのかなと思います」
 
 今までできていたプレーも含め、なぜ本来の良さを出せていないのか。その答えはまだ見つかっていない。

 だが、藤田は今回の移籍が間違っていたとは思っていない。何故ならば、徳島に来たからこそ、気が付いた部分があるからだ。

「自分は中学以降、ヴェルディ以外でプレーした経験がなかった中で、価値観やサッカーの思考が似ているチームに移籍したつもりだった。だけど、徳島はサッカーの考え方もやり方も違う。それは移籍して初めて分かったこと。(サッカーに対する)価値観において最初は難しく、『なんでここにいないんだ』と思う場面もあったけど、今となってみれば海外に行けば価値観が違うのは当たり前だし、今以上に違うと知った。それを考えたら、この移籍は良かったと思う」
 

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