「我々はEUROの間も継続する」英代表監督が一部サポーターのブーイングに反論!「後戻りするつもりはない」

2021年06月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

試合前に片膝をつくポーズに対して…

人種差別への抗議を示すポーズを続けることを強調したサウスゲイト監督。 (C)Getty Images

 現地時間6月2日、リバーサイドスタジアムでイングランド代表対オーストリア代表戦が行なわれ、ブカヨ・サカの挙げた1点を守り切った前者が勝利を収めた。

 大きな反響を呼んでいるのが、この試合でファンから起きた「ブーイング」だ。

 人種差別に対する抗議を示す行動として、試合前に選手たちが片膝を突くポーズは、サッカー界でもプレミアリーグを中心に広がり、いまやお馴染みとなった。

 この一戦でも、両チームの選手が試合前に跪き、人種差別への抗議を示した。だが、一部のサポーターがこの行為に対してブーイングを飛ばしたのだ。

 わずかな人数に過ぎなかったが、このブーイングについて、イングランド代表のガレス・サウスゲイト監督が反応。ルーマニア代表との親善試合を前にした記者会見で、「ファンに何と思われようが、どんな反応が来ようが、我々は行動を変える気はない」と断言した。英紙『The Guarian』など複数のメディアが報じている。
 
「イングランドの選手たちとも話し合った結果だ。EURO2020の間も、どんな反応があろうが試合前に跪くだろう。こうした行動以上に、我々は決意しているんだ。思わしくない反応があろうが、無視していくつもりだ」

 そして、記者から「より効果的な方法に変更する考えはないのか」と問われると、「これより効果的な手段はあるか?」と切り捨てた。

「ああした行動に屈するのは適切ではない。チームは完全に団結している。EURO2020の期間に選手たちがこの行為について語ることはないだろうが、後戻りするつもりはない」

 実際に、この日のブーイングに対して、ほかのファンからは咎めるようなジェスチャーもみられたという。

「ブーイングをした人々は、自分がもしイングランドの選手で、スタジアムで自分のファンからそうした行為を受けたときの気持ちを考えてみてほしい。ただ、そうした反応に対する選手たちの準備はできている。私たちは、何度(その行動の)理由を語っても、それを無視するような人たちに酸素を与える気はない」

 同紙は「世界中の注目をあつめるEUROで、人種差別に対する抗議を示すことは決して無駄にならないだろう」と綴り、指揮官の方針を称えている。

 イングランドは6月13日にグループステージ初戦のクロアチア戦を迎え、18日にスコットランド、22日にチェコと対戦する。いずれの試合でも、選手たちの人種差別行為に対する抗議は、行動に移されるはずだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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