明神智和が感じたOA3選手加入のメリット。五輪にかけるその想い、“世界基準”の1対1とは?

2021年06月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

CBのひとりで守れる力がコンパクトな陣形を保った

A代表でもおなじみの冨安(左)と吉田(右)のCBコンビが世界基準を見せつけた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 試合の率直な感想としては、オーバーエイジ3人のプレーの質の高さはもちろん、この試合やその後のオリンピックにかけるメンタリティに、彼らの凄さが伝わりました。

 五輪に呼ばれる名誉とか、責任感だとか、そういう部分になるのですが、試合中にも紹介されていた遠藤航選手の言葉で、「自分たち3人が入ることによって、3人選ばれない選手が出てくる」という、18人という限られた人数のなかで、その3枠を自分たちが使うことに対しての責任感が、ひしひしとこの試合で感じました。

 実際に、90分間のなかで、3選手とも一切、休む、緩むというプレーが無かったと思いますし、その姿勢がこの好結果、良い試合に繋がったのだと思います。

 自分の"個"のプレーも良さを出し、周りの力も引き出す。さらに、チームとしてのまとまりを作る。要所要所でそういうプレー、声がけ、コミュニケーションというのが映像を見ていても伝わってきました。

 オーバーエイジの吉田麻也選手、酒井宏樹選手、遠藤航選手の3人に加え、A代表に定着している冨安健洋選手を加えたことで、チーム力が目に見えて増したのが、この1試合で分かりました。

 彼ら"A代表守備陣"の貢献で、前半相手はシュート0本ですし、ビルドアップも含めて安定感のある凄い試合だったと思います。

 それでは、そのオーバーエイジの選手たちが加わって何が良かったか?
 
 ひとつは、CBふたりが、ひとりで守れてしまう力を持っていたために、陣形がコンパクトに保てたことです。

 カウンターを受けて、いつもならピンチを招く、シュートまで持って行かれる、というような場面でも、未然に防いでいました。そのため、チームは常に相手陣内でプレーをすることが出来ていました。

 もし、前半に1本でもカウンターを受けて、シュートまで持ち込まれるようなシーンがあったら、少しディフェンスラインを下げたり、中盤の選手が奪いに行けなくなったり、ということが多々起きるのですが、そのCBふたりが、ディフェンスラインを下げずに、対応できていたことによって、ボランチふたりが、下がらずに前向きにボールを奪いに行けた。

 高い位置で守備をするには、もちろんディフェンスラインを下げない方が良いし、下げずに対応できたのは、もちろんふたりのCBの能力だと思います。それを可能にするには、ボールを奪われた時の切り替えの早さが必要です。前線の選手がさぼらずに、奪われた瞬間にボールにプレッシャーに行くからこそ、ディフェンスラインも下げなくていい。そしてボランチふたりも下がらずに奪いに行ける。

 切り替えが良いからこそ、ディフェンスラインを下げなくてよいですし、ディフェンスラインを下げないからこそ、前から奪いに行ける。この両面が好循環を生み出しました。
 

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