「CLで優勝よりも、出場が重要視されている」名将マレザーニが伊サッカー界に苦言!「イタリア人の知恵を使うべき」

2021年05月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

「残念ながらイタリアでは…」

2014年、サッスオーロ監督時代のマレザーニ。現在はサッカー界から離れ、悠々自適な生活を送っている。(C)Getty Images

 アルベルト・マレザーニが、5月29日付のイタリア紙『Gazzetta dello Sport』で、イタリア・サッカー界の現状を嘆いた。

 来週67歳の誕生日を迎えるマレザーニは、指揮官としてフィオレンティーナやパルマ、ヴェローナなどをクラブを渡り歩き、サッスオーロを率いた2014年まで第一線で活躍。2020年にサッカー界を離れてからは、故郷ヴェローナに、一緒に働く2人の娘、ジュリアとヴァレンティーナにちなんで「ラ・ジウバ・ワイナリー」というワイナリーを作るなど、悠々自適な生活を送っている。

「サッカーのことはあまり考えず、今はヴィニュロン(ワイン生産者)に近い感覚でいる。アマローネやリエントロなどのグラスを片手に、パルメザンチーズやレッシーニアのサラミをつまみながら、田園風景を眺めるのが好きだ。田園風景を目の前にした私の孤独な食前酒だね。素晴らしい」

 ただ、サッカー自体は今でも追い続け、チャンピオンズ・リーグ(CL)などはチェックしているという。現代のイタリア・サッカー界には、次のような問題提起をしている。
 
「残念ながらイタリアでは、経験や年齢は余分なものだと考えられている。実際には、経験は有効に活用されるべきで、若い人たちをサポートするために使われるべきだ。サッカーのレベルによっては、コーチも指導されるべきなんだ。そして監督は(ジョゼップ・)グアルディオラ(マンチェスター・シティ監督)などの外国人ではなく、イタリア人の知恵を使うべきだね。

 今日のコーチ陣の中だと、私は(マッシミリアーノ・)アッレーグリ(ユベントス新監督)が大好きだ。彼は現実的で、直感的であり、多くの言葉よりも選手を信じている」

 また、2009-10シーズンのインテル以来、イタリア勢がCL制覇から遠ざかっている現状にも苦言を呈している。

「イタリアではCLで優勝することよりも、CLに出場することが重要視されている。トップ4に入った人たちが、まるでチャンピオンシップを制覇したかのように見えるんだ。私はそれを『ダウンワード(下向きな)メンタリティ』と呼んでいるよ」

 今シーズンのCLでは、ラウンド・オブ16の時点で全滅と、イタリア勢は厳しい結果に終わった。かつてパルマでヨーロッパタイトルを手にした名将としては、思うところがあるようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【PHOTO】かっこよすぎる! イタリア代表×アルマーニの最強コラボ!
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事