またしても消去法に? 難航するバルサの監督人事。新指揮官の招聘をめざすもクーマン続投が有力か…

2021年05月29日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

ラポルタ会長の本命はグアルディオラ

シャビ(左上)、ガジャルド(左中)、マルティネス(左下)、グアルディオラ(中央上)、ピミエンタ(中央中)、レーブ(中央下)らがバルサの新監督候補に挙がるが、クーマン(右)続投の線も消えていない。(C)Getty Images

 バルセロナの来シーズンの監督探しが難航している。

 3月に再任したジョアン・ラポルタ会長がめざしているのは新監督の招聘だ。しかし、当初本命視されていたシャビは時期尚早と考えている様子で、地元紙『スポルト』などはすでに選外にあると報じている。

 他に名前が挙がっているのが、ヨアヒム・レーブ(ドイツ代表)、マルセロ・ガジャルド(リーベル・プレート)、ロベルト・マルティネス(ベルギー代表)、ガルシア・ピミエンタ(バルサB)らだ。一時最有力候補として報じられていたハンジ・フリック(バイエルン)は先日、EURO2020終了後にドイツ代表の監督に就任することが発表された。

 そんな中、同じく『スポルト』紙によると、ラポルタ会長が本当に望んでいるのはジョゼップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ)だという。言うまでもなく、13年前にみずからが抜擢した指揮官であり、バルサを黄金時代へと導いた人物だ。

 シティとの間には23年まで契約があるが、記事によると、チャンピオンズ・リーグ決勝でチェルシーとのプレミア対決を制し、初優勝を果たした場合はひとつの区切りとなり、退任する可能性が生まれるという。もっとも、グアルディオラが監督として古巣に復帰する考えがないことはたびたび伝えられており、同記事内でも、実現の確率は低いと補足している。
 
 そこで注目されるのが現監督、ロナルド・クーマンの動向だ。25日にラポルタ会長と首脳会談を行ない、その場で15日間の猶予を求められたと伝えられている。つまり、クーマンもキャスティングの対象のひとりで、ペンディングにしている間に新監督招聘のメドが立つかどうかで最終的な判断を下したいのだろう。言ってみれば、完全な消去法だ。

 クラブのレジェンドでもあるクーマンに対するこうした扱いについて、「リスペクトに欠けている」と現地では批判の声が上がっている。これでは続投となった場合でも、フロントと信頼関係を築くのは難しいだろう。

 思えば、昨年1月に前会長のジョゼップ・マリア・バルトメウは、シャビ、クーマン、マウリシオ・ポチェッティーノに続けざまに袖にされた後、同じく消去法でキケ・セティエンを招聘した。その後の結果はいまさら説明するまでもないだろう。変革を掲げてチーム再編に取り組んでいるラポルタ会長だが、肝心の監督人事から躓いている。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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