「完璧に敗れた」日本戦で、ミャンマー代表選手が見せた“抗議”ポーズ。現地で大きな反響を呼ぶ

2021年05月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

監督はあくまで「政治的立場には立たない」とコメント

スタジアムの外では在日ミャンマー人たちが抗議活動を行なっていた。 写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 5月28日、日本代表はミャンマー代表と対戦。10-0で勝利し、7大会連続の最終予選進出を決めている。

 一方、対戦したミャンマー代表からすれば大敗だ。同国の現地メディア『VOA Burmese』は「試合には完璧に敗れた」と評し、チームを率いるアントワーヌ・ヘイ監督が「驚きはないし、それに勝る貴重な経験ができた」とコメントしたと伝えている。

 だが、ある選手が見せた仕草が、試合の勝敗以上に大きな反響を呼んでいるようだ。

 それは、国歌斉唱のシーン。控えGKのビエ・リアン・アウン選手が3本指を立てる仕草をする姿がカメラに抜かれた。このポーズは、軍への抵抗を示す仕草とされている。該当のシーンはSNSで瞬く間に広がっている。

 ミャンマーは軍事クーデターの影響などで、不安定な国内情勢が続いている。同メディアによれば、今回の代表チーム招集の際、主力として活躍していた選手複数が「現在の国を代表するために戦いたくない」と代表を辞退。チームへの合流を拒否したといういきさつがある。
 
 同メディアは「ミャンマーの選手は意思表示をした。スタジアムの外では、在日ミャンマー人たちが抗議活動を行ない、軍のスポーツへの介入には強く反対するなどと訴えたようだ」と現地の様子を報じている。

 試合後の会見で、ヘイ監督は選手の仕草について問われたが「見ていないので分からない」とコメント。加えて「チームは政治的な立場には立たないという国際サッカー連盟(FIFA)のルールを遵守しており、クーデターへの抗議活動は、フットボールを行なっている彼らとは何も関係がない」と語ったと伝えている。

 不安定な情勢ながらも来日したミャンマー代表チームは、11日にキルギス、15日にタジキスタンと対戦する。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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