フラフラしながら攻撃を形成し、最後の仕上げも。相模原の技巧派レフティ藤本淳吾にかかる期待

2021年05月27日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「“自分が”っていう気持ちはさらに強くなった」

今年37歳を迎えた藤本。高品質のテクニックは健在で、経験も豊富。昇格組・相模原の残留のキーマンだ。写真:徳原隆元

 今季のSC相模原で得点源として期待されていた背番号10のホムロが、家庭の事情により5月上旬に退団。時を同じくして、2トップの一角でスタメンに抜擢されるようになったのが、元日本代表の藤本淳吾だ。

 攻撃的MFを主戦場としてきた技巧派レフティは、最前線に配置されても効果的なプレーを披露。良い意味で自由に動き回り、攻撃面でアクセントをもたらしている。

「フラフラとしながら、相手が掴みにくいところに顔を出して、中盤のボール回しにわざと降りて、中盤で数的優位を作ったり。その分、前で(FWの平松)宗が孤立しちゃうかもしれないけど、そうならないように、(シャドーの)キヨ(清原翔平)とか(星)広太が絡んだりしてくれている」

 いかに攻撃を組み立てるか。経験豊富な藤本の戦術眼が鍵を握る。

「自分のところで時間ができて、他の人たちが前向きになれるようにサポートする。フリーだったら簡単に預けるし、自分が前を向けるなら前を向いて運ぶし。

 どうしてもディフェンスで受けるようなシチュエーションが多いぶん、自分のところで時間を作るなりして、チームとして全体のラインを上げないと押し返せないから。それで、ああいうポジションを意識して、速く行けるなら早く行くけど、流れが悪かったり、自分の中で"ここだ"って思わなかったら、ゆっくりして、やり直せばいい」
 
 フォーメーションの一番上にいる以上、得点への意欲もさらに増した。

「とりあえず自分で決めないと。"自分が"っていう気持ちはさらに強くなったと思う。自分が決めないと、チームは勝てないっていうぐらいの気持ちでやらないと。もっとゴールをする、アシストするっていう姿勢をもっと出さないといけない。チームを助けられるように、数字で残せるプレーをしたい」

 チームはしばらく白星から遠ざかっているが、内容的には僅差の勝負が続いている。いかに勝ちを引き寄せられるか。"FW藤本淳吾"の決定的な仕事に期待したい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストweb編集部)

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