【G大阪≪宇佐美の全ゴールリスト付≫】“不敗神話”は継続中。宇佐美ゴール時の勝率は「77%」

2015年05月17日

川崎戦で見せた極上の“シルキータッチ”。

川崎戦で宇佐美が放ったシュートは実に8本。この日のピッチで誰よりも“脅威”となった。写真:山崎昌治

 8本――。宇佐美貴史が12節の川崎戦で放ったシュート数だ。
 
 序盤からボールの保持率を高める川崎に対して、G大阪は最終ラインと中盤で堅牢な守備ブロックを形成し、2トップの宇佐美とパトリックが前線に残ってカウンターを狙う。前半はこの「堅守+カウンター」が面白いようにハマった。
 
 そのなかでひと際輝いたのが宇佐美だ。高い位置でボールを収めてゲームメイクもこなしながら、エリア付近に入れば躊躇なくシュート。この日のピッチで誰よりも"脅威"を与えたのは、大久保やレナトでもなく、G大阪のエースだった。
 
 圧巻だったのは43分の先制ゴールだ。宇佐美が見せた右足アウトサイドでの柔らかいトラップは、まさに"シルキータッチ"。トラップの時点で「勝負あり」と言えるほど絶妙で、あとは左足を振り抜くだけだった。
 
「ボールがこぼれて来ることは予想していなかったけど、トラップからシュートの流れは良かった。アウト(サイド)でトラップして左足でシュートというのはイメージしていた」
 
 前半はG大阪ペースで2点目も時間の問題かと思われたが、72分に宇佐美が退いた後にG大阪は同点弾を浴び、結局、引き分けに終わった。宇佐美自らが交代を志願した形だが、その経緯をこう明かす。
 
「身体が重いとかはなかったけど、あの時間でつるなんてことは今までまったくなかったので自分でもびっくりした。一か所じゃなく全身に来た感じで、危ないなというのがあって、ここで無理して長引いてからでは遅いと思ったので、自分が出ているのであれば他の選手が出たほうがいいと思って自分から(交代を)言った」
 
 この日の宇佐美のシュートは前半に7本、後半に1本。前半の躍動ぶりを数字も物語るが、特筆すべきはそのシュートの意識だ。
 
 12節終了時点の得点ランキング上位のなかで『1試合平均シュート数』を見ても(表を参照)、宇佐美はリーグトップの「3.6本」。シュート総数も40本と最多で、消化試合が1試合少ないことを考えれば、この数字は突出している。
 
 ゴールへの貪欲な姿勢は2年連続リーグ得点王の大久保をも上回るもので、宇佐美がストライカーとして進化しているひとつの証と言えるだろう。

次ページゴール時の勝率は「77%」。不敗神話も「33試合」に。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事