「一晩中嘔吐していた」浦和の“新プリンス”ユンカー、欧州メディアに入団までの紆余曲折を明かす

2021年05月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

「“裏切り者”と呼ばれ…」

デビューからリーグ3戦連発と爆発しているユンカー。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 Jリーグのシーズンが始まった4月に浦和レッズへの加入が決定した、デンマーク出身のキャスパー・ユンカー。ノルウェーリーグで得点王(26試合28ゴール)となった27歳の大型ストライカーは、Jデビューからリーグ3戦連発と乗りに乗っている。

 ユンカーの母国メディア『bold.dk』が伝えるところによれば、彼はノルウェーのメディアに対し、日本での生活をスタートするまで、数々の困難を乗り越えたことを告白。紆余曲折を経て、強い思いで浦和でのプレーを選択したことを明かしている。

 いわく、「ポーデ・グリムト(前所属)から浦和レッドダイヤモンズへの移籍は正にドラマチックなものであった」ようだ。

 今冬には浦和のほかにトルコのクラブからのオファーもあったという。しかし、これはクラブが断り、実は浦和も一度は断られているという。しかし、ユンカーは依然として日本行きを望んでいたものの、コロナ禍による日本の外国人の入国制限のため身動きが取れず、チームのスペインキャンプに同行。しかし、制限が多少緩和された3月になって、浦和との交渉が一気に進んだ。チームのスペインキャンプに同行していたユンカーは、急きょチームを離れることになったそうだ。
 
 ただ、当時はこの経緯が明らかにされておらず、現地では「ユンカーが強引に移籍を進めようとしている。無礼だ、という非難の声も上がった」という。さらに現地メディアでは、スペインのホテルから、ひとりで荷物を持って出てくるユンカーの姿がドラマチックに報じられ、「"裏切り者"と呼ばれ、批判が過熱した」(同メディア)ようだ。

 こうなった経緯について、当のユンカーは「クラブと口約束でオファーに関する取り決めはあった。けれど、それが移籍の決定打ではなく、クラブと私以外は誰も知らないような、カーテンの裏で行なわれている小さなことがすべてだった」と、詳細な説明を避けている。

 浦和との話がほぼまとまった後は、オランダのフェイエノールトでメディカルチェックを受けることになるのだが、合宿地だったスペイン・マラガからの飛行機にパスポートの問題で乗ることができず、ヨーテボリ(スウェーデン)経由で帰路につくと、コペンハーゲン(デンマーク)から車でフェイエノールトという長距離移動を余儀なくされたそうだ。

 そこからチェックを経て、日本に入国を果たすが、ホテルに到着したときにはホッとする間もなく、一晩中、横になって嘔吐していたという。

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