【セルジオ越後】オーバーエイジはDF2人にボランチ1人。森保監督は相手が上だと認めているよ

2021年05月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

メキシコ、フランスという強豪を相手に、やっぱり守備が不安、という考えが透けて見える

U-24日本代表の国際親善試合メンバーにオーバーエイジで選出された酒井(左)、吉田(中央)、遠藤(右)。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 ワールドカップ・アジア2次予選と国際親善試合に臨むA代表と、五輪を2か月後に控え国際親善試合に臨むU-24日本代表の招集メンバーが、5月20日にそれぞれ発表された。

 注目は、U-24日本代表のオーバーエイジ(OA)招集だったと思うけど、吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航の3人が選ばれた。事前に複数のメディアで報道されていた通りの名前がそのまま挙がった形になったけど、やはりその顔ぶれを見る限り、ディフェンスを重視した人選という印象だよ。

 3月のテストマッチが終わった段階では、日韓戦で存在感を見せた大迫勇也の名前もいろんなメディアで挙がっていたように思うし、僕も酒井ではなく大迫を推していたけど、森保監督はより実績と経験値のある選手を後ろに置くと決めたわけだ。
 
 もちろん、所属クラブとの交渉や本人の五輪への意欲などもあるだろうし、必ずしも希望通りのセレクトができるわけじゃないけど、森保監督はどうやら対戦相手が上だと認めているようだね。メキシコ、フランスという強豪を相手に、やっぱり守備が不安、という考えが透けて見えるよ。一方で選ばれたFW陣を見れば国内組だけで、他のポジションに比べたら国際経験に乏しい選手たちばかりでやや心許ない。大迫もU-24で試して、もう少しどちらに比重を置いて戦うべきか探っても良かったんじゃないかな。

 とはいえ、反町技術委員長は以前から「6月が最後の選考になる」と言っているから、実質的に今回選ばれたメンバーから五輪の登録メンバー18人が選ばれることになるだろう。そうなると、24歳以下の選手の選考は、OA3人を除いた15人。そのうち、GKを除くフィールドプレーヤーの選出枠は13しかない。選手たちは本当に熾烈な競争を勝ち抜かなければいけないね。

 もう改めて言うことではないかもしれないけど、選手たちも最後のアピールに必死になっているなかで、本番の時に指揮を執る監督が現場にいないのは全く不自然だよ。A代表は2次予選突破がほぼ確実な状況にあるなかで、指揮官の比重の置き方ももう少し考えてみるべきだったのでは?
 

次ページ今回A代表に選ばれた選手たちとしては、しっかりアピールしておきたいところだが…

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