「少しでも目に留まってくれたら」J初の女性主審、山下良美審判員が歴史的な一歩を踏み出す

2021年05月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

「一番難しかったとしたら、コイントスですね(笑)」

Jリーグ初の女性主審としてJ3のゲームを担当した山下審判員。今後も「目の前の試合に全力で取り組むこと」を大事にしていく。(C)JFA

 5月16日に行なわれたJ3リーグ第8節のY.S.C.C.横浜対テゲバジャーロ宮崎の一戦で、山下良美主審が女性審判員として初めてJリーグの試合を担当した。日本サッカーの歴史に新たな1ページを刻んだ山下審判員が、試合翌日にオンラインでの取材に応じた。

 試合を担当するにあたり、山下審判員は「とても大きな責任は感じていました」と振り返る。

「今まで先輩方が築いてきた道、私もそれをつないでいく役目もありますし、この機会を得るにあたって、JFAの方々であったり、Jリーグの方々、もちろんチームの方々の理解、選手の理解、観ている方たちの理解もありますし、同じ仲間のレフェリーが積み上げてきている信頼もありますので。そういうものを背負って、この試合を担わないといけないなと責任は重く感じていました」

 試合前は緊張していたというが、「始まってからはそんなことを考える暇もないというか、そういう気持ちで臨みました」と話す。

 試合に関しては、「両チームの選手とも、とてもプレーに集中していて、私自身、ストレスが溜まるような、そういうシーンもなかったですし、とてもフェアにプレーしてくれていたと思います」。

 難しかったシーンについて訊かれれば、「どの試合も、どの場面も、"これが一番難しかった"と思うシーンがいつもないので、それと同じように昨日の試合も同じように感じていました」とのことだ。それでも「一番難しかったとしたら、コイントスですね(笑)」と笑顔を見せる。

 主審と選手。ピッチ上ではひとつのジャッジを巡り、言い合いになることもある。選手との円滑なコミュニケーションで意識していることに関しては次のように語る。

「正直、言葉を使って話をするのが苦手な意識があるので、分かりやすく、簡潔に伝えられるように。あとは、ジェスチャーと表情と、笛も使って。使えるものをなるべく使って、コミュニケーションを取れるようにと思っています」
 
 女性審判員として、新たな一歩を踏み出した。「女性でも男性でも、審判員というものに少しでも注目していただける、今まで審判員に目が向かなかった方たちに、少しでも目に留まってくれたら、すごく嬉しいなと思います」と、その意義を感じている。

 今後の目標は「この機会が続いていくこと、そして女性審判員が男性の試合を担当することが当たり前になっていくことが、私が目標とするべきところだと思います。そのために私ができることは、目の前の試合に全力で取り組むことだと思っていますので、私はそれを目指して、1試合1試合しっかり担当していきたい」と意気込みを口にした。

構成●サッカーダイジェストweb編集部

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