コロナウイルスワクチンのスタジアム大規模接種にJリーグが全面協力「何か恩返しをできるようになれば」

2021年05月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

全国知事会も賛同

スタジアムでワクチンの大規模接種へ協力を表明したJリーグの村井チェアマン。※写真は会見中のスクリーンショット

 Jリーグは5月14日、オンライン上で記者会見を行ない、新型コロナウイルスワクチンの大規模接種への協力についての概要を明かした。

 冒頭でJリーグの村井満チェアマンは「新型コロナウイルスの感染拡大が進む中で、多くの方々に対する速やかなワクチン接種が喫緊の課題となっております。このたび、Jリーグ及び全国40都道府県で活動する57クラブは、ワクチンの大規模かつ早期の接種に協力するため、各地域でのサポート活動をご提案申し上げます」として以下のようなその詳細を発表した。

 現在接種会場として利用されるのが決定しているのは、名古屋の豊田スタジアムと、町田のホーム町田GIONスタジアムの2会場。さらに神戸のノエビアスタジアム神戸も確定間近だという。

 スタジアムそのものは、大半が行政所有となっており、ワクチン接種への使用許諾ができる立場ではないものの、村井チェアマンは「Jリーグにできることは限りがありますが、Jリーグの持つスタジアムや発信力を使って、この接種を多く、迅速にできるように協力していきたい」と運営面や告知、予約、啓蒙など様々なところでサポートをするという主旨だ。

 現在Jリーグが想定している具体的な協力内容は、「スタジアムでワクチン接種が行なわれる際のオペレーションのサポート」「ワクチン接種の担い手を募る呼びかけ」「ファン・サポーターをはじめとした一般の方々に対してワクチン接種への啓発活動」の3点となる。
 
 ワクチン接種のオペレーションサポートでは、試合運営で培った誘導や待機列整理等のノウハウを提供し、昨年より7万回を超えるJリーグ公式PCR検査を委託した株式会社シーユーシーの協力を仰ぎ、より迅速確実な運営体制に貢献する。

 接種の担い手への呼びかけは、休職中の看護師等への協力を働きかけるなどリーグや各クラブのネットワークを活用する。

 そして、一般の方々への啓発活動では、リーグ・クラブ・選手から接種を促すメッセージ動画を作成・告知するほか、その他さまざまな啓発活動への参加・協力を「今月中には発信するというスピード感」で行なうという。

 同会見に出席していた徳島県知事で、全国知事会の飯泉嘉門会長は、「ホームタウンは都道府県のスタジアムを活用して頂いているので、親和性も高い。(現在予定が遅れている接種計画にとって)一発大逆転になるのがJリーグとの連係ではないか」と、今回の提案を評価する。

 さらにスタジアムオペレーションについては、「3密を回避しなければならない。普段行なっている見事な誘導が無ければ、かえって感染を増やしてしまう」と期待を寄せ、接種の担い手への呼びかけには、「市区町村が緻密な計画をたてて行なっている」とし、重複しないように協力するとともに、「潜在看護師への呼びかけ」には大いに賛同しているとした。

 また一般への啓発では、「是非選手たちに呼びかけを」とそれぞれの具体案へ一定の評価を下しているという。特に、スタジアムでの接種では、「一番の期待は全国民を対象とした一般接種。入場者数が増えると、よりJリーグのサポートが必要となってくる。早期の一般接種の終了。そこから、Jリーグから他競技の会場でも接種を行なうことが広まれば」と大きな期待を寄せた。

 翌日5月15日でJリーグ発足29年目を迎えるJリーグ。ワクチン接種を全国一律で進めるのは難しいとしながらも、村井チェアマンは、「個別の対応には十分協力できる」として、「地域行政、ファン、サポーターなど多大なご支援の中で歩んでくることができた。何か恩返しをできるようになれば」と社会貢献を誓った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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