誰が出ても、変わらぬ強さ。相馬監督が描いたイメージが具現化されつつある鹿島は、まだまだ強くなる

2021年05月14日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「そのエネルギーは非常に高いと僕は思っています」

現体制下で公式戦8試合を戦い、5勝3分といまだ無敗を継続。相馬アントラーズは盤石の強さを見せている。写真:徳原隆元

 スタメンを大幅に入れ替えても、鹿島アントラーズの強さは変わらなかった。

 5月9日に行なわれたFC東京戦は3-0の完勝を収めた。中2日で迎えた名古屋グランパス戦で、相馬直樹監督は前節から先発の顔ぶれを6人入れ替えた。連戦の中でのマネジメントだったかもしれないが、鹿島はスタンディングで上にいる名古屋を相手に攻守で圧倒し、2-0の完勝を収めた。

 名古屋戦でチームを勢いづかせる先制点を挙げた犬飼智也はこう振り返る。

「普段はリーグで出ていない選手が出て、これだけのゲームができるのが鹿島だと思わせられたゲームだと思います」

 5試合を消化したルヴァンカップでは4試合で先発している一方、リーグ戦では8試合ぶりのスタメンとなった杉岡大暉も「メンバーが半分近く変わって、変わらない鹿島を見せたいと思った」と語る。期するものがあった東京五輪代表候補の左SBは、名古屋戦で勝負を決定づけるチーム2点目を決めてみせた。

 誰がピッチに出ても、鹿島は鹿島。それを地で行く戦いぶりで、現体制下では8試合を戦い、5勝3分と無敗を続けている。

 もっとも、相馬監督にとってはある意味、想定内の事態だったかもしれない。監督就任から2週間ほど経ったころ、指揮官はチーム状況について次のように語っていた。

「監督が代わったタイミングが一番、それはシーズンの頭でもそうですけど、横一線という言葉が正しいかは分かりませんが、ただやはり、そこに競争が生まれるのは必然的なこと、当然のことであって、そのエネルギーは非常に高いと僕は思っています」
 
 相馬アントラーズで新たに生み出されたエネルギーが昇華したひとつの形が、名古屋戦の完勝だった。相手のシュートをゼロに抑えるほど力の違いを見せつけた。監督、選手が掴んだ手応えは大きいはずだ。

「そのエネルギーを生かさない手はありませんし、そのなかでチームのベースも形作られ、全体に浸透していく。そうなっていくことで、そのエネルギーが勝点を持ってきて、さらに勢いを持つ形になっていけば一番いいなと思っています」

 相馬監督が描いていたイメージは具現化しつつある。鹿島はまだまだ強くなる。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストweb編集部)

【動画】しっかり繋いで崩した!杉岡大暉の追加点!

【PHOTO】鹿島アントラーズの歴史を彩った名手たちと歴代ユニホームを厳選ショットで一挙紹介!
 

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