「容認できない圧力があった」ESLから正式脱退していない3クラブが、UEFAの“脅迫”に反論! 徹底抗戦の構え

2021年05月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ESL創設に対して第三者の介入は認められていない」

ESLを主導したとされるR・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長。現在の胸中やいかに……。 (C)Getty Images

 欧州サッカー連盟(UEFA)は現地時間5月7日、欧州スーパーリーグ(ESL)に参画したクラブに対しての処分を発表した。

 その内容は、ESLに参加を表明した12クラブのうち、脱退を表明した9クラブに対する処分。アーセナル、チェルシー、リバプール、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナムのビッグ6に加え、アトレティコ・マドリー、インテル、ミランに対して、UEFAが主催する大会の収益を5%カットに加えて、1500万ユーロ(約18億7500万円)の寄付、さらに今後、ESLなどUEFAが許可していないトーナメントに参加した場合、1億ユーロ(約125億円)の罰金が課せられるという。

 一方、いまだ正式に脱退を表明していないユベントス、バルセロナ、そしてレアル・マドリーに対しては、正式な内容については公表せず。しかし、より厳しい処分を下すことを示唆していた。

 だが、これに対して対象となる3クラブが共同声明を発表。「発表してからというもの、このプロジェクトを放棄するようにという、第三者からの容認できない圧力、脅迫、攻撃を受け、今も受け続けている」とUEFAや国際サッカー連盟(FIFA)などの横やりを批判。さらに「サッカー界における問題の解決策を模索する権利と義務を放棄している」とし、UEFAの処置に徹底抗戦の姿勢を明らかにしている。
 
「これは法の支配のもとでは耐えられないことであり、裁判所はすでにスーパーリーグの提案を支持する判決を下している。プロジェクトにおける裁判での手続きが行なわれている間は、直接または関連団体を通じて、FIFAやUEFAにこの構想を妨げるような行動を一切取らないように命じている」

「我々の友人であり、ESLプロジェクトの創設パートナーでもある彼ら(脱退を表明した9クラブ)が、UEFAとのいくつかの約束に署名する際、一貫性のない矛盾した立場に置かれていることを残念に思う。我々は、我々の歴史に敬意を表わし、サポーターに対する義務を遵守し、フットボールのため、そして財政面での継続的な可能性のため、責任ある行動を起こし、適切な解決策を追求していく義務があることを改めて表明する」

 そして、今後はESLのシステムについても「世間の様々な反応を十分に理解しており、いくつか改善する余地があることを認識している」とESLの仕組みの改善にも着手することも明らかにした。

「必要に応じて、提案されたアプローチについて再考する用意がある。だが、サッカー界のニーズとシステムの危機を認識しながらも、この業界そのものを脅かす本質的な問題に対して、効果的な方法を考えるという使命を放棄することはあり得ない。それは無責任だ」

 果たして、UEFAとESL運営の対立はどのような結末に向かっているのか。今後の対応が注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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