「許されるのなら11人のイニエスタを…」愛弟子ラームが恩師ペップの逸話を披露!間近で見た圧倒的な手腕とは?

2021年05月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

「フットボールの複雑さを減らすことを目指す人もいるが…」

愛弟子ラーム(左)が、恩師グアルディオラ(右)を鋭い観察眼で分析している。(C)Getty Images

 ジョゼップ・グアルディオラ監督率いるマンチェスター・シティは現地時間5月4日、チャンピオンズ・リーグ(CL)準決勝・第2レグで、パリ・サンジェルマンと対戦。リャド・マハレズの2ゴールで快勝し、2戦合計4-1でフランス王者を一蹴した。

 クラブを史上初のCL決勝進出に導いた指揮官の手腕に改めて評価が集まるなか、バイエルン時代に師事した元ドイツ代表DFフィリップ・ラームが、スペイン紙『El Pais』で執筆した記事を、『MARCA』紙が紹介している。

「ペップ・グアルディオラにはたくさんの思い出がある。彼は私に『重要な試合では、シンプルにベストな11人を選ぶ』と言っていた。耳を澄まさなければならない。この言葉には、フットボールの鍵となる『個の質』が含まれている。グアルディオラ監督は、選手の技術や才能を愛するトップコーチだ。コーチの中には、フットボールの複雑さを減らすことを目指す人もいる。

 だが、グアルディオラは、その複雑さを極めたいと考えている。彼の仕事は、チェスのグランドマスターや、全ての楽器奏者の能力を引き出すオーケストラの指揮者に例えることができるね」
 
 また、この智将が率いたバルセロナについても言及している。

「バルサはとてもいいチームで、ほとんどの選手が複数の楽器を上手に演奏していた。09年と11年にチャンピオンズ・リーグを制覇したとき、彼らは相手の息の根を完全に止めていたね。このスタイルは、クラブ全体がヨハン・クライフのトータル・フットボールの考えに従っているからこそ可能だったのであり、グアルディオラもこの伝統の中に自分を置いている。もし許されるのなら、彼は11人の(アンドレス・)イニエスタを置いただろうね。

 他の場所では、彼は自らの理想を少し犠牲にしなければならなかった。ミュンヘンでは、スペシャリストである(フランク・)リベリと(アリエン・)ロッベンをサイドでプレーさせ、チームがボールを持ったときには、2人のサイドバックがセンターに流れていった。彼はコーナーからのシンプルなゴールや、ボックス外からのシュートを楽しむことを学んでいたんだ」

 恩師について鋭く考察したラーム。DNAを引き継ぐこの名手が今後、ペップと同じ道を歩むことはあるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【PHOTO】現地番記者が選ぶ「過去20年のバイエルン・レジェンドTOP10」を厳選ショットで振り返り!
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事