「試合数を削減するのはいいが、給料も減る」UEFA会長が、新CLに対するクロップ&ペップらの批判に反論!

2021年04月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

「クラブが廃業して困るのは、ファンでは?」

新CL形式への批判に回答したチェフェリン会長。(C)Getty Images

 欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンダル・チェフェリン会長は、新たなチャンピオンズ・リーグ(CL)のフォーマットに対する批判に言及した。

 UEFAは先日の理事会で、2024年から施行する新たなCLの形式を承認。参加クラブは32から36に増え、各チームが最低10試合をこなしてからベスト16が決まる。現状から、試合数は純増する。

 この新形式に対しては、リバプールのユルゲン・クロップ監督や、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督とドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアンなどから「試合数が多すぎる」、「UEFAはメガクラブと同じくらい貪欲だ」、「結局は金のためじゃないか」といった非難の声があがっている。

 そうしたなか、4月24日に英紙『The Mail on Sunday』の独占取材に応じたチェフェリン会長は「この新方式はまだ修正可能であり、試合数を減らすことには対応できる」と主張したという。

「監督や選手のなかには、試合数が多すぎるという人がいた。私もその意見は見かけた。もちろん、試合数はいつだって減らすことができるし、それでいいと思っている。本心で、心からだ。チャンピオンズ・リーグが今のままであれば、世界最高の大会であることに変わりはないのだから」

 だが、その一方で"代償"も伴うと指摘した。
 
「その場合は、選手や監督の給料もその水準に合わせなければならない。給与は減るだろう。試合数を減らせば、収入を増やすことはできないからだ。そもそも、CLの改革案は財政危機にあるクラブへのサポートを目的に生まれた。今のままでもいいが、それではクラブが廃業してしまう。そうなると一番困るのは誰だろうか? ファンじゃないか。

 一部の人たちが口にしていることは理解できるが、私は彼らに訊ねたい。『あなたの解決策は何ですか?』とね。この改革は誰にとってもメリットがあると考えている」

 加えて「まだ完全に決まっているわけではない。もしその人たちがサッカーの未来を守るために、我々よりも良いアイデアを持っているのなら私は耳を傾けるだろう」と述べたという。

 また、事実上はとん挫したとされる欧州スーパーリーグ(ESL)構想に関わったクラブに対しては、今もなお怒りを収められていない様子も垣間見せたようだ。

「新チャンピオンズ・リーグについては欧州サッカークラブ協会(ECA)とともにクラブと話し合いを重ねていくつもりだ。収入面で収益分配の話し合いにも応じる用意がある。問題は、ECAを離脱したクラブが、欧州スーパーリーグの構想があるとずっと知っていながらも、私たちに働きかけ、交渉していたことだ。昨日、3年前から話し合っていたという情報を聞いた。3年もの間、UEFAをだましながら計画を進めていたなんて! 本当に信じられない」

 新CLも、現場の選手や監督の意見を無視しているという点では、ESLと同じといえる。今後の対応が注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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