【J1採点&寸評】湘南×神戸|白熱の90分。前半は神戸、後半は湘南が主導権を掴みドロー。

2015年05月06日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

チーム全体を引き締めたA・バイア、攻撃をリードした菊池の活躍が光る。

【警告】湘南=大槻(42分)、高山(55分)、可児(80分) 神戸=チョン・ウヨン(45+6分)、奥井(48分)、フェフージン(87分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】アンドレ・バイア(湘南)

【試合内容】
 神戸が立ち上がりからパワーを前面に出して圧倒。15分に相馬が右ふくらはぎの筋肉に異常をきたして交代するものの、アウェーチーム優勢な戦況が続き、33分、マルキーニョスがミドルレンジから技ありのコントロールショットを決めて先制する。
 
 しかし前半ロスタイム、ホームチームはセカンドボールを何度も拾ってパスをつないで攻撃を繰り返すと、ペナルティエリア内で菊池が奥井に倒されてPKを獲得。これを遠藤が沈めて同点とした。
 
 後半、神戸はマルキーニョスが負傷でベンチに退くと、ボールの収めどころを失う。すると状況は一転し、ボールを高い位置でキープできるようになった湘南が一方的に攻める。
 
 それでも両チームともに交代出場した選手が思うように機能せず、結局1-1で引き分けた。
 
 マン・オブ・ザ・マッチは、湘南のA・バイアと菊池のどちらにするかで迷ったが、最後尾からチーム全体を引き締め続けたA・バイアを選んだ。
 
【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・10節

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【チーム採点・寸評】
湘南 6.5
苦しみながらもよく勝点1を拾ったとも言えるし、後半一方的に攻めたことを考えれば勝点3を奪い切れなかったとも言える。
 
神戸 6.5
前半は「なぜ、これほど高いクオリティなのに9位にいるのか」と首をひねるぐらい素晴らしい出来だった。しかし後半、マルキーニョスがベンチに退いた影響もありプレー全体が雑になり、順位も頷ける内容に。

【湘南│採点・寸評】
GK
1 秋元陽太   
開始2分のマルキーニョスが放ったフリーのショットをビッグセーブ。あれが決まっていたら、一方的な展開になっていたかもしれない。ただ、先制点はさらにレベルアップするためには止めたかった。
 
DF
3 遠藤 航   
身体の重さが感じられるプレーが目立ったが、気持ちのこもったPKをねじ込んだ。
 
4 アンドレ・バイア 6.5
クールに仕事をこなし、いつしか流れを呼び込んだ。40分に放った強烈な左ミドルは、チームメイトを鼓舞する反撃の狼煙となった。
 
17 三竿雄斗 6
タッチラインぎりぎりでつなぎ、先制点につながるPK獲得につなげた。安定感があった。
 
MF
14 藤田征也    5.5
チャンスでトラップミスをするなど疲労が明らか。よく走ったが、彼らしい精度の高いクロスは見せられず。
 
26 可児壮隆 5.5
ビルドアップによく顔を出したものの、守備が緩かった。マルキーニョスに余裕を与えてしまった。
 
6 永木亮太 6
前半はチョン・ウヨン&フェフージンのW大型ボランチへの対応に苦しんだが、後半は前への鋭いプレスからリズムを掴んだ。
 
10 菊池大介 6.5
ペナルティエリア内でボールを受けたところを倒されPKを獲得。ポストを叩くミドルを放ち、快足を飛ばしてカウンターを機動させるなど、この日の攻撃をリードした。
 
23 高山 薫 6
頭に裂傷を負った影響を微塵も感じさせず、敵陣をえぐる効果的なスプリントを何度も繰り返し、相手DFのラインを押し下げた。
 
19 大槻周平 6
惜しいシュートやあと一歩で届きそうなダイビングヘッドなど、チャンスに絡む。だが、その「あと一歩」が遠かった……。
 
FW
18 アリソン 5.5
持ち味である強靭なフィジカルを活かし切れず。ゴール前でなにかひと仕事をしたかった。

交代選手
MF
5 古林将太 5.5
気持ちは伝わってきたが、やや空回り気味な印象。肩の力を抜いたシンプルなプレーも織り交ぜたい。

FW
22 岡田翔平 -
完全に湘南に流れが来ている時にトドメを刺すように投入。しかし、期待されたような脅威は与えられなかった。
 
FW
9 ブルーノ・セザル -
チェイシングからボールを奪うなど何度かチャンスメイクに関与。ハイボールに簡単に負けるなど、期待されたマッチアップの場面で後手に回った。

監督
曺 貴裁 6
コンディションなどを考慮して前節からスタメンを変更したが、チームとしての狙いは貫けた。一方、交代選手がなかなか機能しないという課題も。

次ページ3ポジションをこなした小川、先制弾のマルキーニョス、存在感を示したチョン・ウヨンらを高評価。

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