チャンピオンズ・リーグ準決勝を前に4強のPK戦にまつわる話

2015年05月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

準決勝で決着がPK戦にまで持ち込まれたケースはわずか4回。

DFBポカールで4人全員がPKを失敗したバイエルン。しかし歴史を振り返ると……。 (C) Getty Images

 いよいよチャンピオンズ・リーグ準決勝の戦いの火蓋が切られる。ユベントス対レアル・マドリー、バルセロナ対バイエルン、いずれも非常に興味深いカードと言えよう。
 
 4チーム全てが伝統と歴史、そして実績に富んだチームであり、過去にも欧州カップ戦の舞台で何度も名勝負を演じてきた。準決勝のカードで見れば、ユーベはマドリーに通算で7勝1分け8敗とほぼ互角の成績、バルセロナはバイエルンに1勝2分け5敗と大きく負け越している。
 
 さて、ノックアウトラウンドでは当然、2戦を終えても決着がつかず、PK戦に突入する試合もある。今シーズンのチャンピオンズ・リーグでは、決勝トーナメント1回戦のアトレティコ・マドリー対レバークーゼン戦が合計スコア1-1から11メートルの戦いに決着が持ち込まれ、3-2で前者が準々決勝へのチケットを手にした。
 
 ラウンドが進むほどチーム間の実力は拮抗し、決着がつきにくくなるものだ。一発勝負の決勝戦を振り返ると、過去59回の決勝戦で16試合が延長戦に突入し、10試合がPK戦、1試合が再試合にまでもつれ込んでいる。
 
 しかし準決勝については、長い歴史のなかでPK戦が行なわれたのは、2011-12シーズンのバイエルン対マドリー(3-1)、06-07シーズンのリバプール対チェルシー(4-1)、
1985-86シーズンのバルセロナ対イェーテボリ(5-4)、そして71-72シーズンのインテル対セルティック(5-4)と、わずか4試合だけである。
 
 2戦合計、しかもアウェーゴール・ルールがあれば、通常はPK戦の前に決着がつくということなのだろう。逆に言えば、PK戦に突入する試合には、両チームの様々な戦略や駆け引き、そして極上のドラマが詰まっているということでもある。
 
 ところでPK戦といえば、先日のDFBポカール(ドイツ国内カップ)準決勝で、バイエルンがドルトムントに決勝戦行きのチケットを奪われて三冠の夢があえなく潰えたが、同時にこの試合のPK戦で4人全員が失敗したことも大いに話題となった。
 
 クラブ、代表のビッグイベントにおいて、片方のチームが全員失敗したというケースは、そう多くない(下記は主な例)。「全員失敗」ということで最も有名なのは、85-86シーズンのチャンピオンズ・カップ決勝だろう。
 
◇ビッグイベントにおけるPK戦での全員失敗例
2006ワールドカップ決勝トーナメント1回戦 ウクライナ 3-0 スイス
1977-78チャンピオンズ・カップ準々決勝 ユベントス 3-0 アヤックス
1985-86チャンピオンズ・カップ決勝 ステアウア・ブカレスト 2-0 バルセロナ
1988-89チャンピオンズ・カップ1回戦 ヌシャテル・ザマックス 3-0 ラリッサ
2001コパ・アメリカ準々決勝 パラグアイ 2-0 ブラジル
2011アジアカップ準決勝 日本 3-0 韓国
1988アジアカップ3位決定戦 イラン 3-0 中国

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