横浜戦で施した“止血”は一時しのぎではない!今季初勝利へ向け、仙台が目指すべき「いい守備からいい攻撃へ」

2021年04月13日 板垣晴朗

横浜戦では開幕以来の勝点1を奪取

横浜戦の守備に対して一定の手応えを感じたという手倉森監督。写真:田中研治

[J1リーグ9節]仙台0-0横浜/4月11日(日)/ユアテックスタジアム仙台

 攻撃力がウリの横浜F・マリノスを、なんとか無失点に抑えて90分を終えた。

 4月11日のJ1リーグ第9節で、仙台は0-0の結果により開幕戦以来の勝点1を獲得。手倉森誠監督は「これくらいの鋭い攻撃に対して、『これでもか』というくらいの今日の守備をできれば簡単には負けないんだということを実感して、これからに生かしていければ」と、連敗を6で止めたこの日の戦いを振り返るとともに、前を向いた。

 守備の修正は急務だった。昨季の17位からの巻き返しを図るべく、8季ぶりに手倉森監督を招いて臨んだ2021シーズン。開幕戦では前半に退場者を出して先制されるも、粘り強く守って追加点を許さず、後半終了間際に追いついて勝点1をもぎ取った。

 ところが第2節で川崎フロンターレ相手に前半だけで4失点して守備が瓦解、最終的に1-5の大敗を喫してから、キャンプから築いてきた攻守の連動性がギクシャクし始めた。

 続く第3節・サガン鳥栖戦では0-5の大敗。絶好調の相手が続いたとはいえ、2戦連続5失点の傷は深い。その後も守備は安定せず、第8節はCKからの1失点にとどまったものの、そこまでの7試合(※第5節は中止し8月3日に代替開催)すべてで前半に先制点を許す試合が続いていた。
 
「去年からの悪い流れを断ちきらなければならない。負け癖を叩き直しているところで、サポーターに辛抱させてしまっています」と困難な状況を受け止めている指揮官は、まずは「いい守備から、いい攻撃へ」という流れを確立させるべく、根気強く守備から立て直す作業を続けている。

 組み合わせやシステムを試行錯誤しながら、ブロックを作って構える守備と高い位置で「二度追い、三度追いする守備」(手倉森監督)の使い分けなどを調整。そして、横浜戦では相手の流動的で速い仕掛けの攻撃にも組織を崩さない守りを実践し、無失点で試合を終えることに成功した。

 勝利できなかった事実は痛かったとはいえ、連敗を6で止めたことは大きい。ひとまずは"止血"に成功した格好だ。
 

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